第67回 東京ダービー(S1)

【予想】
◎チサット
〇トランセンデンス
▲アランバローズ
△セイカメテオポリス
△マカベウス
△ジョエル
△タプラオ

 タイミング良く動いた京浜盃が実に鮮やかだったチサット。前走の羽田盃は微妙に仕掛けのタイミングが早かったとみて、巻き返しに期待。上位拮抗。

【レース】
 好スタートを決めたアランバローズの逃げ。ギガキング、ギャルダルの並びで直後にトランセンデンス。タプラオ、チサット、ジョエルと続いて中団にマカベウス、ブライトフラッグ。セイカメテオポリス、トーセンクロードは後方から。隊列に変動はなく、抑え気味にアランバローズの単騎マイペース。勝負処からピッチを上げるアランバローズ。後退するギガキングを交わしてギャルダルが2番手へ。2頭が後続を離して直線へ。一旦は迫る勢いのギャルダルも、最後は同じ脚になりアランバローズがキッチリ残して1着ゴール。ギャルダルが2着に粘り、最後の1ハロン14秒2と要した処に追い込み勢が迫りブライトフラッグが3着。

【上位馬の寸評】
1着 アランバローズ
 この日はプラス2キロの439キロ。馬体から特に変化は感じませんが、落ち着いていたのは好感。レースはポンと出で馬なりでハナ。距離を意識して左海騎手が極力我慢を利かせる競馬。幸い鈴を付けに来る馬もおらず、意外に折り合った逃げ。勝負処から徐々にピッチを上げて後続を振り払う目論見。付いて来たのはギャルダルで、3番手以下を離して直線へ。さすがに終いは一杯になったものの、追撃を凌いで1着ゴール。懸念された距離を克服して世代ナンバーをアピールしました。やはり全日本2歳優駿でJRA勢を完封してマイル1分40秒7は伊達ではない。距離云々より完成度とスピード能力の違いで押し切ったという競馬。今後の路線はわかりませんが、一度短距離での走りを見たい。

2着 ギャルダル
 この日はマイナス14キロの481キロ。初輸送、初コースでいくらか気負い加減。強調は? レースは出たなりに内3番手から。道中の折り合いはスムーズ。勝負処から手応えが怪しくなったギガキングを交わして単騎2番手。アランバローズを追う構え。最後の直線、一旦は迫る勢いでしたが、さすがに苦しくなって同じ脚に。それでも2着に頑張り通したのは大殊勲。アランバローズの逃げを無理なく追い駆けたスピードと粘りは一級品。種牡馬ホッコータルマエの評価を早くも高めた同馬の今後の動向に注目。

3着 ブライトフラッグ
 この日はマイナス2キロの496キロ。少々うるさい面を見せていましたが、馬体をフックラ映して好気配。レースは出たなりに中団9番手から。勝負処から反応良く動き、最後の直線は外詰めて肉薄する勢いの3着。過去3勝、2着2回はオール逃げですが、本橋騎手とのコンビで羽田盃に続いて抑える作戦。二度目で早速結果を出して展望が開けました。

4着 ジョエル
 この日はマイナス1キロの514キロ。相変わらず馬っぷりが冴えて絶好調。レースは出たなりに外6番手から。勝負処から巧く内に潜り込み、追って追って前を追走。最後の直線は外から詰めて4着。5着には5馬身差ですから、大威張りできる内容。ギャルダルと同様に別路線からの挑戦でも堂々と立ち回りました。

5着 トーセンクロード
 この日はマイナス7キロの508キロ。気合乗り十分の好馬体に格下のイメージはありません。レースはほぼ殿りからの競馬。4コーナーでは大外に持ち出して5着。かなり水を開けられており内容的には今イチですが、現段階での完成度の違いで致し方なし。

6着 ギガキング
 この日はプラス2キロの461キロ。馬体をフックラ映し一連のデキ。レースは逃げるアランバローズを2番手で追い駆け勝負処で突き放される形。強気の作戦が裏目に出た模様。距離も若干長いか…。

9着 チサット
 この日はプラス1キロの510キロ。馬っぷり上々でハイレベル安定。レースは手応え良く先行勢の直後を進みましたが、早々にステッキが入り追走ままならず大敗。羽田盃から更に着順を下げてしまい、根はマイラーということか。

11着 トランセンデンス
 この日はマイナス1キロの460キロ。馬体をキープしてマズマズ。レースはスタートひと息。森騎手が気合をつけて4番手に行きましたが、完全に追走バテ。羽田盃とはあまりにも落差のある走り。若干調子を落としていたのか…。

第25回 さきたま杯(Jpn2)

【予想】
◎アルクトス
〇ベストマッチョ
▲エアスピネル
△ノボバカラ
△ワイドファラオ
△トロヴァオ

 南部杯ではタイミング良く動いてレコードVのアルクトス。競り合う形だとひと息でも、脚の使い処さえハマれば当代屈指の実力。内枠の捌きがカギですが、いかにもイメージに合う浦和千四なら買いと判断。地元千四でベストマッチョ本線。

【レース】
 左海プレシャスエースがハナを主張してベストマッチョ、ワイドファラオの並び。その内にエアスピネル、直後にアルクトス、ノボバカラが併走。ペースはやや速目。4コーナーでベストマッチョが先頭に並びかけ、ワイドファラオも接近。内を狙ってエアスピネル、外に回してアルクトス。一旦は横一線の接戦模様でしたが、残り100からは2頭のデッドヒート。外からアルクトスが豪快に突き抜けました。

【上位馬の寸評】
1着 アルクトス
 この日はプラス5キロの545キロ。抜群の馬っぷりに適度な気合乗り。申し分ない仕上がり。レースは隣のエアスピネルが好発を決めたのでポジション的には若干後手に回りましたが、5番手で機を窺う形。勝負処からマクって出て大外へ。最後の直線は内から伸びようとするエアスピネルを外からねじ伏せる形で1着ゴール。時計の1分24秒9はなかなか優秀。やはり浦和千四はドンピシャだったし、いち早く外に持ち出した田邊騎手の好判断も。

2着 エアスピネル
 この日はマイナス9キロの479キロ。別段細目感はなく、気合も乗って順調な仕上がり。レースは好スタートを決めて内4番手から。道中の行きっぷり上々。最後の直線は中を割って抜け出す構えでしたが、外伸びたアルクトスの勢いに押され2着。2キロ差があってこの走りは完全な力負けですが、マダマダ実力は維持しています。

3着 ワイドファラオ
 この日はマイナス8キロの506キロ。叩いて絞り込んできた感じ。今回はブリンカー装着。レースは福永騎手が多少気合をつけて外3番手から。ほぼ想定通りのポジション。勝負処から動いて1馬身差で直線に向きましたが、一旦は横一線の争いから前2頭に後れを取って3着。どうしても追い比べになると分が悪く、理想は逃げ。

4着 ベストマッチョ
 この日はマイナス4キロの496キロ。高齢を迎えましたが、馬体の張り、気合乗りともに上々。レースは主張するプレシャスエースに行かせて2番手から。4コーナーではこれに並びかけて一旦は先頭に立つシーンもありましたが、最後は力尽きて4着。自分の力は走って力負け。

5着 ハイランドピーク
 この日はプラス4キロの472キロ。馬体に重目感はなく仕上がりは進んでいる様子。レースは出遅れて後方8番手から。直線だけで脚を伸ばして5着。展開に乗じた感じはありますがマズマズの滑り出し。しばらく勝利から遠ざかっての移籍ですが、この走りができればもうひと花の可能性。

第13回 川崎マイラーズ(S3)

【予想】
◎モジアナフレイバー
〇ヒカリオーソ
▲ヴァケーション
△ワークアンドラヴ
△ティーズダンク
△トーセンレビュー
△ルイドフィーネ
△ファルコンピーク

 昨秋、復帰戦の船橋が持ったままの楽勝。続く南部杯が前年同様に勝ちに行く競馬で接戦の3着。むしろマイラーの気配漂うモジアナフレイバー。中間の気配良好だし斤量有利で真島騎手。力通りの競馬とみました。連下は混沌。

【レース】
 注目の逃げ争いを制したのは枠順の差でファルコンビーク。外枠のワークアンドラブは行き切れず2番手から。内4番手にヴァケーション。直後にティーズダンク。中団内にヒカリオーソ。モジアナフレイバーはスタート躓いて後方から。ペースはやや速目。向流しに入り徐々に追い上げを図るモジアナフレイバー。先行2頭が後続を4馬身ほど離して直線へ向きましたが、圧倒的なパフォーマンスを発揮したモジアナフレイバーの豪快な差し切り。ワークアンドラブが踏ん張って2着。

【上位馬の寸評】
1着 モジアナフレイバー
 この日はマイナス8キロの511キロ。外傷のアクシデントでかしわ記念は回避しましたが、その影響なくキリッと引き締まった馬体で好仕上がり。レースはスタート躓いて後方から。向流しに入ると徐々に進出を図り3、4コーナーでは内5番手で一旦脚を溜める形。最後の直線は外に持ち出して豪快な差し切り。モノの違いを見せつけました。やはりこの距離ベストとみるべきか。

2着 ワークアンドラブ
 この日はマイナス1キロの480キロ。いつも通りの気配で状態安定。レースは笹川騎手が気合をつけてハナを取りに行きましたが、ファルコンビークの抵抗に遭い2番手に甘んじる形。折り合いに専念して半馬身差で直線へ。最後はモジアナフレイバーの地力に屈しましたが、一旦は振り切られそうになりながら渋く脚を伸ばしてファルコンビークに競り勝っての2着は評価できる内容。やはりマイラーとしての実力は一級品。外目番手なら対応可能を証明。

3着 ファルコンビーク 
 この日はプラス2キロの501キロ。馬体をフックラ映して状態ピーク。レースは好スタートを決めて先手主張。道中はワークアンドラブのマークを受けつつハイラップの逃げ。半馬身差で直線に向いて一旦は逃げ切りかと思わせましたが、モジアナフレイバーの切れ味に圧倒され、ワークアンドラブにも競り負けて3着。格の違いを見せつけられましたが、自己のスタイルを貫いて完全燃焼。

4着 ティーズダンク
 この日はマイナス2キロの510キロ。以前より馬体にボリューム感が出て成長確か。レースはほぼ馬なりで6番手を追走。勝負処からマクって出て4コーナー4番手。最後の直線もソコソコ脚を使って4着。モジアナフレイバーより重い58キロを背負ってこの走りなら上々。長目の距離もこなしますが、この千六あたりが一番イメージに合う。

5着 ヴァケーション
 この日はプラス5キロの483キロ。気合乗り十分で状態アップが窺えます。レースは森騎手が気合をつけて内4番手から。最終4コーナーでは前2頭から離れた3番手。ロスなく進めたものの、ひと息伸びを欠いて5着。全日本2歳優駿を勝った舞台でこの走り。今イチ成長を欠いている点は否めません。

7着 ヒカリオーソ
 この日はマイナス3キロの482キロ。丸みを帯びた馬体に適度な気合乗り。気配的には決して悪くありません。レースは出たなりに内7番手を進み、最後の直線も内を突いて7着。結果的にはひと息ですが、スムーズに運べたのは収穫。次あたり変わってもおかしくない。

第66回 大井記念(S1)

【予想】
◎タービランス
〇ミューチャリー
▲ホーリーブレイズ
△ノーブルサターン
△フィアットルクス
△アングライフェン
△ストライクイーグル
△マルカンセンサー

 2キロ差があったとはいえ、カジノフォンテンに果敢に挑みアワヤのシーンを演出した京成盃。衰え皆無のタービランスが、過去2年で惜敗の当レースをキッチリ決めるとみました。当然ミューチャリー本線。

【レース】
 長休明けでもスピード馬ドリームキラリがハナ。ノーブルサターン、フィアットルクスと続いてタービランスは好位イン、外にホーリーブレイズ。向流しに入るとレースが動き、ミューチャリーが一気に進出。アングライフェンもこれに追随。3コーナーで先頭に立ったノーブルサターンを、早くも4コーナーで交わし切ったミューチャリーが、一気に突き抜けて圧勝。力の違いをマザマザと見せつけました。千切られたとはいえ積極的な運びでフィアットルクスが2着と大健闘。タービランスは今年も念願叶わず。

【上位馬の寸評】
1着 ミューチャリー
 この日はマイナス4キロの467キロ。この馬に関しては見た目は不問。以前より落ち着きが出たのは成長。レースは御神本騎手が出たなりの競馬。向流しに入ると外から無理なく進出して3コーナーでは4番手。4コーナーでは早くも先頭。最後の直線も長く脚を使ってリードを広げ正にワンサイド勝利。時計の2分4秒3もなかなか優秀。JBCで地方最先着に大賞典では1馬身圏。ここではモノが違いました。

2着 フィアットルクス
 この日はマイナス3キロの510キロ。馬体をフックラと映して状態キープ。レースは本橋騎手が気合をつけて外3番手から。勝負処から動いてきたミューチャリーに合わせてスパート。いち早く先頭に立ったノーブルサターンを追って2番手へ。最後の直線はミューチャリーの独壇場を許しましたが、シビアな流れを終始前々で立ち回っての2着は価値大。同じ57キロを背負ってのこの走りは、南関有数の実力馬に成長を確信。

3着 タービランス
 この日はプラス1キロの541キロ。堂々たる馬っぷりで好調キープ。レースは笹川騎手が多少気合をつけて内6番手から。ペース的には納得のポジション。ただし勝負処で動いてきたミューチャリーには反応の違いを見せつけられて、少々置かれ気味に。最後の直線は外に出して懸命に追撃を図りましたが離された3着。過去2年よりも速い時計で駆けてこの結果だから、相手が一枚上だった。

4着 アングライフェン
 この日はプラス2キロの491キロ。高齢9歳で馬体的に大きな変化は感じませんがマズマズ順調。レースは出たなりに外11番手から。ミューチャリーのスパート合わせるように進出して4コーナーでは5番手。最後の直線はタービランスと併せ馬の形で4着。重賞ではこれが目イチの感じですが大健闘。

5着 ストライクイーグル
 この日はマイナス6キロの515キロ。黒光りする好馬体は健在。レースは森騎手が気合をつけて内9番手から進め、内を突いて僅かに詰めた程度の5着。外枠先行がベストで、この枠では厳しい競馬。5着なら頑張った方かもしれません。

第33回 かしわ記念(Jpn1)

【予想】
◎カジノフォンテン
〇タイムフライヤー
▲カジノフォンテン
△インティ
△サンライズノヴァ
△ミューチャリー

 フェブラリーSの快勝で改めてマイラー色が鮮明になったカフェファラオ。当時以上の仕上がりなら信頼度大。タイムフライヤーが本線。

【レース】
 サルサディオーネ、ワークアンドラブの並びは想定通り。内にワイドファラオ、その外にカジノフォンテン。カフェファラオはその直後を追って追走。サンライズノヴァが早目に5番手から。出遅れたインティは後方から。ペースは平均。抜群の手応えで進出したカジノフォンテンが4コーナー先頭。切れ味鋭く迫るソリストサンダーをハナ差抑えての勝利。追い込んだインティが3着。

【上位馬の寸評】
1着 カジノフォンテン
 この日はプラス2キロの544キロ。抜群の馬っぷりに風格が備わってきました。レースは出たなりに外4番手から。勝負処から手応え良く進出して4コーナーでは早くも先頭。鋭く迫るソリストサンダーをハナ差抑えて貫録を示しました。1分37秒台を想定していたのが39秒3と意外にかかる決着。人気のJRA勢が動かな過ぎの感じもしますが、距離オールマイティの実力を改めてアピール。

2着 ソリストサンダー
 この日はマイナス12キロの482キロ。入念に調整を積まれてキッチリ仕上げてきた感じ。馬体フックラ好気配。レースは抑え込む競馬で外7番手から。最終コーナーでは4番手。最後の直線はハナ差まで肉薄した処がゴール。少々乗り難しそうなタイプですが、昨年後半からの充実は本物。少なめの頭数の外枠も幸いした感じ。

3着 インティ
 この日はプラス3キロの521キロ。少々立派に映りますが、これは体型的なモノ。パドックを堂々と周回する姿は年季を感じさせます。レースはスタート煽って出て後方から。前走のフェブラリーSと同じような運びになり、直線勝負で3着。この形で続けての好走はそれなりに評価できますが、年齢的に大きな変わり身は?

4着 ワイドファラオ
 この日は増減なしの514キロ。好馬体に適度な気合乗り。昨年勝った際と変わらぬ好気配。レースは福永騎手が気合をつけて馬を内に寄せて3番手から。道中の折り合いはスムーズ。カジノフォンテンが動いた際には相手とは手応えに歴然とした差がありましたが、懸命に追って追走。最後の直線はイン粘りの形で離された4着。やはり追っての味はなく逃げベター。好走には諸々条件が付く。

5着 カフェファラオ
 この日はプラス4キロの518キロ。均整の取れた好馬体。気合乗りも十分で文句なし。今回もチーク着用。レースは内5番手からの競馬になりましたが、道中の反応ひと息でリズム? 気を遣った走りで精神的に消耗したのか、最後の直線では全く伸びる気配なし。ジャパンダートダービーの時と同じような感じで、どうも常識に掛からない。

7着 サンライズノヴァ
 この日はマイナス11キロの531キロ。太目の馬体を絞り込んで気合も乗り、変わり身十分。レースはスタート出て積極策。5番手から一旦は番手に進出しましたが、意外に脚が続かず7着。追い込みに徹した方がいいのかもしれませんが、ピークは過ぎた感じも。

第66回 羽田盃(S1)

【予想】
◎イグナイター
〇チサット
▲マカベウス
△アランバローズ
△トランセンデンス
△ランリョウオー
△タプラオ

 決してスムーズな運びではなかったものの、転入緒戦の京浜盃を2着したイグナイターの上がり目重視。同じく勢いあるチサット本線も上位混沌。

【レース】
 今回はスタート決めたアランバローズの逃げ。イグナイターは大事に2番手。トランセンデンスが早目に3番手。直後にランリョウオー、外にチサット。マカベウス、タブラオは中団から。ペースは平均からやや速目。3馬身リードして直線に向いたアランバローズ。内からランリョウオー、外からチサットも接近して2番手グループは混沌。その中からグイを脚を伸ばしてきたのがトランセンデンスで、ゴール前アランバローズを交わして1着。ランリョウオーも差を詰めて3着。

【上位馬の寸評】
1着 トランセンデンス
 この日はマイナス7キロの461キロ。デビュー以来の最小体重ですが、細目感はなくビシッと仕上げてきた感じ。レースは出遅れて後方からの京浜盃とは対照的に、森騎手が気合をつけて3番手からの積極策。終始ポジションをキープして速目の流れを追走。かなり手は動いていましたが、4コーナーでは2番手に併走。最後の直線は、横一線の2番手争いから抜け出してアランバローズに迫り、ゴール寸前にこれを交わして1着。究極のサバイバル戦を2着したJBC2歳と同様に、実に渋い走り。間違いなく距離は延びていいタイプ。それと降雨により馬場が軽くなってきたとはいえ、時計の1分51秒5も優秀。当然2冠制覇の期待が高まります。

2着 アランバローズ
 この日は増減なしの437キロ。馬体増は叶わなかったものの、落ち着きがありマズマズ。レースは前走の二の轍を踏まず、少々掛かり気味に速目のペースで後続を離す本来の逃げ戦法。コーナーで少々息を入れ、3馬身のリードを保って直線へ。激しい2着争い尻目に逃げ切ったかと思われましたが、トランセンデンスの強襲に屈して2着。これは相手を褒めるべき。自分のスタイルは貫徹して完全燃焼。東京ダービーは距離の克服に尽きる。

3着 ランリョウオー
 この日はマイナス1キロの445キロ。少々テンションが上がり気味はいつも通り。線が細く見映えは今イチ。レースは的場騎手が出たなりに5番手から。道中は極力折り合いに専念。勝負処からはインに潜り込み4コーナーでは内3番手。最後の直線は内から的場騎手が懸命に叩き出してきましたが、同僚に決め手負けの3着。見た目以上に芯の強い馬。

4着 チサット
 この日はプラス1キロの509キロ。馬体をフックラ映して活気もあり、連勝の勢いを感じさせます。レースは好スタートから出たなりに外6番手から。勝負処からマクり上げて前に接近。2番手グループの一角に割って入り前を追いましたが、上位3頭からは若干離された4着まで。京浜盃で抑えた馬に逆転を食いましたが、決定的な差ではないし、流れひとつでこれも反撃十分。

5着 セイカメテオポリス
 この日はマイナス4キロの529キロ。馬っぷりの良さは目を引きます。レースは煽り気味のスタートで外10番手から。道中は内に潜り込み、最後の直線は内を突いて5着。前走の京浜盃と同じような競馬で入着ライン。それほど極端な力差は感じませんが、もうひとつ器用に立ち回れないし、ここまで高速決着になったのは誤算。

6着 マカベウス
 この日はマイナス5キロの507キロ。叩いて馬体がキリッとしたし、毛ヅヤ上々。レースは本田騎手が気合をつけて中団8番手から。4コーナーでは6番手まで上がりましたが、今イチ伸びを欠いて6着。この時計の決着では厳しかった感じ。ダービーでも勝ち負けまでは?

8着 イグナイター
 この日はプラス3キロの514キロ。気合乗り十分の好馬体に良化を確信。レースは出たなりに2番手。アランバローズを深追いせず自分のペースを堅持。直線に向いた時点でもまだ2番手をキープしていましたが、追ってサッパリ伸びず吸収される形。京浜盃でも少々行きたがる面を見せていたように、短目の距離が合うタイプか。

第35回 東京プリンセス賞(S1)

【予想】
◎ケラススヴィア
〇グロリオーソ
▲ディアリッキー
△サブルドール
△ウワサノシブコ
△レディブラウン
△カイカセンゲン

 ユングフラウでよもやの敗戦を喫したケラススヴィア。差し有利の馬場に千四の忙しい競馬で息が入らず逃げ裏目。桜花賞で即反撃。案外追わせる面があり千八不問。2冠達成有力で勝ちっぷり注目。相手探し。

【レース】
 好スタートからほぼ馬なりでケラススヴィアの逃げ。グロリオーソ、ウワサノシブコと続いて内にレディブラウン、中団外にディアリッキー。サブルドール、カイカセンゲンは後方から。ペースはスロー。3コーナー過ぎからディアリッキーが追い上げを図って3番手に押し上げましたが、ケラススヴィアには何ら影響はなく2馬身差で直線へ。更にリードを広げてワンサイド勝利で2冠を達成しました。混戦の2着争いを制したのはディアリッキー。

【上位馬の寸評】
1着 ケラススヴィア
 この日は増減なしの438キロ。馬体を維持して適度な気合乗り。桜花賞当時と変わらぬデキ。レースは好スタートから馬なりでハナ。特に競りかけて来る馬もおらず単騎マイペース。2馬身リードして直線に向き、ラストスパートを敢行すると一気に突き放して楽勝の2冠達成。レースぶりから距離延長は何ら問題なく3冠制覇も夢ではない。

2着 ディアリッキー
 この日はマイナス4キロの475キロ。いつも通りテンションが上がり気味で特に大きな変化は感じませんがブリンカー装着。レースは本田騎手が気合をつけて外6番手から。勝負処から追って進出を図り4コーナー大外。最後の直線もジリジリ脚を伸ばして2着争いを制しました。勝ち馬は別格として、他との比較では力量上位がハッキリ。

3着 ティーズアレディー
 この日は増減なしの460キロ。マズマズ順調といった感じで前走のデキ。レースは達城騎手が気合をつけて5番手から。ただし勝負処での反応がひと息で置かれる格好。離れた6番手で直線に向き、終い外から盛り返して3着。距離をこなすことは証明しました。

4着 ウワサノシブコ
 この日はプラス7キロの448キロ。桜花賞は取消しになりましたが、その影響は感じられず馬体増好感、適度な気合乗り。レースは和田騎手が気合をつけて外3番手から。勝負処からは追って追走。終始2番手グループの一角を形成しましたが、追い比べで後れを取り4着。初コースと距離を考えればマズマズ。

5着 カイカセンゲン
 この日はマイナス3キロの464キロ。本年初出走。馬体に重目感はなく、休養前に比べると毛ヅヤ良化。レースはヤンワリ出て後方から。勝負処から追い上げを図りましたが、4コーナーではまだ前とはかなり距離。徐々に差を詰めて5着は諸々ハンデを考えればマズマズか。血統馬で今後の変わり身に注目。

7着 グロリオーソ
 この日はプラス5キロの456キロ。馬体をキープして順調そのもの。レースは出たなりに外2番手。折り合いスムーズに進みましたが、4コーナー手前でやや置かれ気味になり、最後の直線は吸収される形。強敵を追い駆ける競馬にスタミナ消耗といった感じですが、千八は長い感じ。

第4回 ブリリアントカップ(S3)

【予想】
◎キャプテンキング
〇フィアットルクス
▲ゴールドホイヤー
△リンゾウチャネル
△インペリシャブル
△ノーブルサターン
△ストライクイーグル

 好仕上がりを直結させたフジノウェーブ記念で復活を果たしたキャプテンキング。千八歓迎とは言い切れないが、メンバー的にスンナリ先行確実とみて期待。フィアットルクス以下混戦。

【レース】
 的場ミスディレクションがハナを主張してリンゾウチャネル、フィアットルクスの並び。その内にインペリシャブル。キャプテンキングは中団外で内にノーブルサターン。道中押し上げを図ったのがゴールドホイヤーにストライクイーグルですが、基本は先行ペース。3コーナー先頭に立ったリンゾウチャネルにノーブルサターン、フィアットルクスが接近して直線へ。3頭のデッドヒートにフィアットルクスが競り勝ち抜け出しました。

【上位馬の寸評】
1着 フィアットルクス
 この日はマイナス1キロの513キロ。悠然とパドックを周回する姿は風格が漂いハイレベル安定。レースは本橋騎手が気合をつけて外3番手。勝負処からは押っ付けて外2番手。決して余裕の手応えではありませんでしたが、直線の競り合いで勝負強さを発揮。グイと抜け出し1着ゴール。これで転入後は17戦14勝のハイアベレージ。レースぶりから距離の許容範囲は広い。

2着 ノーブルサターン
 この日はプラス9キロの531キロ。黒光りする抜群の馬っぷりは健在。レースは大外枠から真島騎手が自然に馬を内に寄せて内7番手から。無理なくポジションを上げて内4番手から4コーナー2番手。手応えの良さからアワヤ大金星かと思わせましたが、惜しくも競り負けて2着。勝ち馬との斤量差を考えれば上々の内容。マーキュリーCを2着の実力に大きな翳りはありません。

3着 リンゾウチャネル
 この日はプラス8キロの517キロ。パドックでは尻っパネするなどうるさい面を見せていましたが、馬っぷり冴えて好調キープ。逃げも予想されましたが、主張するミスディレクションに行かせて2番手から。道中の折り合いはスムーズ。3コーナー先頭に立って2馬身リードして直線へ。最後は3頭のデッドヒートに競り負けましたが、持ち味を十分に発揮しての好走。常に自分の力はコンスタントに走る。

4着 トーセンブル
 この日はプラス2キロの447キロ。小粒ながらもフックラ映して好調。レースは好スタートからジックリ構えて外12番手から。混戦に乗じて前に接近しての4着はいかにもこの馬らしい走り。長目の距離ではマークは欠かせない。

5着 ブラヴール
 この日はプラス2キロの490キロ。この馬にしては気合が乗ってやや復調ムード。レースは笹川騎手がかなり気合をつけて10番手から。内ラチ沿いを追って追走。終いソコソコ詰めて5着。正味目イチの競馬ですが、前走で千六を使ったのが刺激になったのと、体調自体も上向いている様子。

7着 ゴールドホイヤー
 この日はマイナス2キロの495キロ。ひと息後でも乗り込み入念で過不足なく仕上がった様子。レースは山崎誠騎手が気合をつけて外8番手から。勝負処から一気に押し上げて4番手まで進出しましたが。ここから一旦置かれて離れた5番手。最後の直線では再び詰めて5着。やや走りがチグハグで前の馬に巧く捌かれてしまった感じ。力負けとういう感じはしません。

9着 ストライクイーグル
 この日はプラス6キロの521キロ。相変わらずの好馬体で毛ヅヤも上々。レースは出遅れ。向流しで一気に挽回を図りましたが、5番手の外目に取り付くまでが精一杯で、早々に圏外。本来の先行策を取れればという感じもしますが、ここ一連の走りから衰え懸念。

14着 キャプテンキング
 この日はプラス7キロの528キロ。相変わらずの好馬体に適度な気合乗り。レースはスタートひと息。大事に外8番手を進みましたが、ポジションを上げることすらできず無抵抗に後退。休み明け激走の反動か…。それと実績云々は別として千四、千六あたりがベストの感じも。

第24回 クラウンカップ(S3)

【予想】
◎ジョエル
〇ハートプレイス
▲ジョーロノ
△ギガキング
△ノートウォージー
△ピースフラッグ
△リコーシンザン

 キレのいい走りでトライアルを勝利したジョエル。勝ち味に遅い競馬を続けていたが、どうやら吹っ切れた様子。今回は既成の実力処に別路線の強敵も加わってきたが、この馬の勢いが勝るとみて◎。ハートプレイス本線に手広く。

【レース】
 好スタートから定番の逃げでジョーロノ。追い駆けたのはノートウォージー。ハートプレイス、ピースフラッグと続いて直後にリコーシンザン。ギガキングは外に回して向正面進出。これに合わせるようにジョエルもスパート。ペースは平均。4コーナーで外2番手に上がったギガキングがジョーロノを追いつめましたが、背後に迫っていたジョエルがまとめて交わして1着ゴール。

【上位馬の寸評】
1着 ジョエル
 この日はプラス3キロの515キロ。トライアルと同様に馬っぷりが冴えて万全の態勢。レースは出たなりに中団8番手から。ギガキングもスパートに合わせて進出開始。相手の反応の良さに置かれ加減でしたが、4コーナーでは2番手グループの直後に接近。ゴール前で測ったように前2頭を捕らえました。ハマった感じはありますが、連勝を飾って本格化。

2着 ギガキング
 この日はマイナス1キロの455キロ。数字以上に馬体を大きく映して好調キープ。レースは和田騎手が仕掛けて出たものの行きっぷり今イチ。即外に回して向流しに入ると追って進出。前を次々と交わして4コーナーでは2番手グループの大外。最後の直線でもうひと脚使いましたが、ジョエルに足元を掬われる形で2着。ただし長く脚を使ったレース内容は勝ち馬以上。実力の一端を示しました。

3着 ジョーロノ
 この日はマイナス3キロの468キロ。いかにもスピードタイプと言った体つき。叩いての良化が窺えます。レースは好スタートから定番の逃げ。速くもなく遅くもなく程良いペースで引っ張り、熾烈な2番手争いを尻目に2馬身リードして直線へ。最後は2頭に交わされましたが、自分の形で完全燃焼。

4着 リコーシンザン
 この日はプラス6キロの466キロ。特に上積みは感じませんが、ここ一連のデキ。レースは伊藤騎手が多少気合をつけて5番手から。終始追って先行グループの一角を死守。4コーナーでは内2番手。最後の直線は内を突いて離された4着。自分の力は出し切って大健闘。

5着 ヒートアップハート
 この日はマイナス1キロの470キロ。ややテンションが上がり気味でしたが、太目感なく好仕上がり。レースは出たなりに外8番手を進み、僅かに詰めた程度の5着。現時点ではこれが精一杯。

6着 ハートプレイス
 この日はプラス3キロの472キロ。馬体をキープして適度な気合乗り。レースは馬なりで外3番手から。終始2番手グループの一角を形成しましたが、最後の直線は案外伸び切れず6着。レースぶりからは短距離ベターか。

第44回 京浜盃(S2)

【予想】
◎アランバローズ
〇ランリョウオー
▲トランセンデンス
△チサット
△セイカメテオポリス
△マカベウス

 距離延長に不安もあったアランバローズが、無傷で全日本2歳のビッグタイトルを奪取。時計の1分40秒7も優秀。更に延長ですが、ある程度番手でも折り合えるので連勝続行に期待。もちろんランリョウオー本線。

【レース】
 アランバローズは出脚が鈍く後方から。内からジョーロノが定番の逃げ。転入馬イグナイターが行きっぷり良く2番手。ランリョウオーは外5番手。その内にチサット。マカベウスに出遅れたトランセンデンスは後方。ペースは平均。3コーナーで先頭に立ったイグナイターにランリョウオー、更にはマカベウスなどが接近して直線へ。情勢は混とんとしましたが、ワンテンポ仕掛けを遅らせてマクリ上げたチサットが、豪快に伸びて1着。粘ったイグナイターが2着。

【上位馬の寸評】
1着 チサット
 この日は増減なしの508キロ。馬体をフックラ映して気合乗りも上々。申し分なし。レースは好スタートから出たなりに内6番手から。勝負処からマカベウスなどが動いたのをやり過ごし、ワンテンポ遅らせてマクり上げる格好。4コーナーでは一番大外に回し3番手。終い豪快に突き抜けました。過去のレースぶりとは一変で正に新味発揮。メンバー最多のキャリアですが、血統背景からもまだまだ伸びシロがありそうで、羽田盃でも当然有力。

2着 イグナイター
 この日はマイナス1キロの511キロ。大型馬ですが、全く重苦しさはなくキリッとした好馬体。落ち着きもあり好仕上がり。レースはでたなりに外2番手。抑え切れない行きっぷり。3コーナーでは早くもジョーロノを交わして先頭。最後の直線、一旦は3馬身ほど離して逃げ込み態勢でしたが、勝ち馬の末脚に屈して2着。諸々のハンデをクリアしてキャリア3戦目でこの走り。羽田盃でも要注目。

3着 マカベウス
 この日はプラス12キロの512キロ。全く太目感なし。体つきがシッカリして成長を確認。シャドーロール装着。レースは出たなりに外7番手から。勝負処から一気呵成に押し上げを図り4コーナー3番手。最後の直線でもうひと脚は使えませんでしたが、ジリジリ差を詰めて3着は悪くない内容。この走りができれば羽田盃でも侮れません。

4着 トランセンデンス
 この日はプラス2キロの468キロ。特に大きな変化は感じませんが、落ち着き払って完成度が高い。レースは出遅れてほぼ最後方から。内で我慢を決めて腹を括った直線勝負。大外詰めて4着なら悲観する内容ではない。距離延長を味方に羽田盃でも怖い。

5着 ランリョウオー
 この日はマイナス1キロの446キロ。仕上がり切った馬体で少々チャカつき気味。見た目は今イチですが、毎度こんな感じでレースでは地力発揮。レースは出たなりに外5番手から。勝負処から徐々にポジションを上げて4コーナー2番手に上がりましたが、意外に追ってから伸びを欠いて5着。評価が揺らぐところです。

9着 アランバローズ
 この日はプラス3キロの437キロ。体格好はいつも通り、インパクトに欠けますが、落ち着いていたのは好感。レースはスタート澱んで後方8番手からは大誤算。勝負処から大外マクり上げる姿勢は見せましたが、あの形では競馬にならず。距離延長と同型馬を意識して大事に運ぼうとしたのがスタートの委縮に繋がったのか…。これを教訓に恐らく羽田盃は先手に拘る競馬になりそうで、あとは距離の克服。