第2回 雲取賞(S3)

【予想】
◎ゴールドビルダー
〇マンガン
▲ストーミーデイ
△ゴールドホイヤー
△ファルコンウィング
△チョウライリン
△ブリックオドーン

 7着に敗れた全日本2歳優駿も、2着に粘ったJRAのスピード馬を追い駆けて1秒圏内なら悪くないゴールドビルダー。57キロが課題も、好枠先行でハイセイコー記念の再現に期待。これを含め遠征性が多彩。

【レース】
 好スタートを決めたストーミーデイ、スティールペガサスは距離を意識して慎重な構え。そこを突いて戦法に迷いがない左海ファルコンウィングが一気にハナ。ゴールドビルダーは先行勢をマークして内5番手、その外にゴールドホイヤー。ペースはスロー。勝負処から反応良く動いたゴールドホイヤーが2番手に進出。最後の直線、粘るファルコンウィングを残り100で交わしたゴールドホイヤーが1着ゴールを駆け抜けました。

【上位馬の寸評】
1着 ゴールドホイヤー
 この日はマイナス11キロの482キロ。輸送も込みで少々余裕のあった馬体が絞れて好仕上がり。レースは吉原騎手が多少気合をつけて外6番手から。勝負処から手応え良く進出して4コーナー2番手。最後の直線、残り100でファルコンウィングを交わして悠々1着ゴール。気性的にも距離が延びていいタイプ。外枠からノビノビ走れたのも追い風。当然クラシック路線の有力候補。

2着 ファルコンウィング
 この日はマイナス7キロの489キロ。このローテーで多少馬体は減ってきましたが、細目感なく好調キープ。レースはスタートは並みでしたが、他の先行馬が控えたので無理なくハナへ。折り合った逃げでマイペース。最後はゴールドホイヤーに交わされましたが、完全燃焼の2着。距離延びていいかは微妙ですが、ハナに拘る競馬でクラシック路線でも展開のカギを握る存在に。

3着 ストーミーデイ
 この日はプラス16キロの488キロ。馬体増は戻した分で適度な気合乗り。レースは好スタートから出たなりに離れた3番手。休み明けの初距離で慎重な運び。勝負処では離れた4番手。最後の直線は内を突いて3着。現状千八ではこれが一杯か。短距離で活躍しているヒロシゲゴールドの全弟。今後は短距離路線でブレイクの可能性。

4着 マンガン
 この日はマイナス2キロの449キロ。間隔の詰まったローテーションですが、馬体を維持して落ち着きもあり好調。レースは出たなりに離れた外9番手から。4コーナーマクって出て外詰め4着は、ほぼ力通りの競馬。

5着 ゴールドビルダー
 この日はプラス5キロの485キロ。馬体をフックラ映し好仕上がり。レースは出たなりに内5番手から。ロスなく進めたものの、勝負処では置かれ気味。離された5着は、堅実駆けのこの馬としては案外。調教内容が今ひとつで、体調が伴っていなかったか…。

6着 ブリッグオドーン
 この日は増減なしの485キロ。適度な気合乗りで良く見せる馬。レースは御神本騎手が気合をつけて内10番手から。まるで見せ場がなく大敗。重賞ではスピードの絶対値でやや見劣りが。

第64回 金盃(S2)

【予想】
◎ストライクイーグル
〇サウンドトゥルー
▲センチュリオン
△ワークアンドラブ
△トーセンブル
△サノサマー
△サブノクロヒョウ

 絶妙のタイミングで動いて人気のセンチュリオンを抑えた東京記念が鮮やかなストライクイーグル。遠征2戦はひと息でも、地元長距離なら好枠先行で連対は確保できるとみました。もちろんサウンドトゥルーが本線。

【レース】
 好スタートから逃げ馬シュテルングランツがハナを主張。ワークアンドラブ、ミキノトランペットと外枠勢が主導して内にストライクイーグル、中にセンチュリオン。サウンドトゥルーは一周ホームストレッチでポジションを上げ中団8番手。ペースは平均。勝負処から抜群の手応えで進出したサウンドトゥルーが、4コーナーでは先頭に並びかける勢い。直線に向くとすぐに先頭に立ち、突き放す一方のワンサイド勝利を収めました。もつれた2着争いを制したのは外伸びたフレアリングダイヤ。

【上位馬の寸評】
1着 サウンドトゥルー
 この日はマイナス2キロの470キロ。全盛期と比べても体つきがキリッとして好気配。レースは森騎手が気合をつけて馬の行く気を喚起。一周ホームストレッチでポジションを上げ8番手。向流しの中間あたりから痺れる手応えで馬群を捌いて進出。4コーナーでは早くも先頭に並びかけ、直線に向くと即座に先頭。差を広げる一方のワンサイド勝利。正に格の違いを見せつけて難なく当レース連覇を達成しました。斤量比較で恵まれたとはいえ、衰えぬ実力をアピール。

2着 フレアリングダイヤ
 この日はプラス6キロの505キロ。パドックでは気合を表に出さないタイプ。前走のデキはキープ。レースは好スタートから下げて内13番手、内々ロスを避け抑え込む競馬で腹を括った直線勝負。4コーナー大外に回して直線へ。混戦の2着争いを制しました。この馬には少々短いと思えた千五で直線一気を決めた前走。そして今回の好走。ひと皮剥けたようです。

3着 トーセンブル
 この日はマイナス2キロの441キロ。見た目は地味な馬で、この馬なり。レースは出たなりに10番手からの競馬。徐々にポジションを上げて4コーナーでは大外6番手。直線ジリジリを伸びて3着は、この馬らしい渋い走り。長距離に適性が高い。

4着 スギノグローアップ
 この日はプラス6キロの495キロ。休み明けでも入念に乗り込まれて馬体フックラ好仕上がり。レースは赤岡騎手が多少気合をつけて内8番手から。粘着先行タイプで鋭い脚のないこの馬としてはややポジションが後ろ目。内を突いて差を詰め4着ならマズマズ収穫のある競馬内容。

5着 ハセノパイロ
 この日はプラス6キロの539キロ。もうひと絞りといった体つき。レースは本橋騎手が気合をつけて行ったものの後方12番手から。正味直線勝負で5着に押し上げれば健闘の部類。

6着 ストライクイーグル
 この日はプラス1キロの520キロ。相変わらず馬っぷりは冴えており好調キープ。レースは吉原騎手が多少気合をつけて内4番手から。コースロスなく進めましたが、最後の直線で外に持ち出してからがサッパリ伸びず6着。内で溜める競馬よりも外攻めの方が合っているのか…。

7着 サノサマー
 この日はマイナス2キロの479キロ。特に目立つ気配ではありませんが、前走の東京大賞典と同様。レースはほぼ最後方の外目を回って直線だけの競馬。今回に関しては叩き台とみるべきか。

11着 センチュリオン
 この日はマイナス8キロの531キロ。馬っぷりは冴えているし、馬体減は絞れた分と判断。レースはミシェル騎手が3番手に行き積極的な競馬を展開しましたが、道中の手応え?で脚を使って追走の形。早々に脱落してこの結果は案外。若干ピークを過ぎたか…。

第69回 川崎記念(Jpn1)

【予想】
◎チュウワウィザード
〇ケイティブレイブ
▲アナザートゥルース
△デルマルーヴル
△オールブラッシュ
△ミツバ

 JBCでライバルに競り勝ったチュウワウィザード。チャンピオンズCの4着は外に繰り返すタイミングを逸した感じ。この組み合わせなら、強気の攻めで押し切れるとみました。先手主張でケイティブレイブが本線。

【レース】
 森騎手が乗ってきたケイティブレイブが内枠から先手主張は予想通り。ミューチャリーが意表を突く先行策で2番手。チュウワウィザードは外3番手で盤石。ミツバ、デルマルーヴル、アナザートゥルースと続いてヒカリオーソは意外に置かれて中団から。ペースは平均。残り800からペースアップ。残り600で先頭に立ったミューチャリーにチュウワウィザードが並びかけ、2頭が後続をリードして直線へ。いち早く先頭に立ったチュウワウィザードが楽に抜け出し2着争いが焦点に。ヒカリオーソがひと脚使って2着と大健闘。

【上位馬の寸評】
1着 チュウワウィザード
 この日はマイナス4キロの478キロ。状態面も見た目も全く波がない馬。通例の仕上げを施されて好調キープ。レースは好スタートから内の動向を窺いつつ外3番手からはほぼ想定通り。勝負処からミューチャリーのスパートに合わせて2番手。直線に向くと即先頭を奪い、貫録のワンサイド勝利を収めました。今が盛りのダート最強レベルを遺憾なくアピール。

2着 ヒカリオーソ
 この日はプラス6キロの476キロ。ダービー勝利が446キロで、当時から30キロ増。少々テンションが高いのは相変わらずですが、凄まじい成長ぶり。まだ増えてもいいくらい。レースはスタートひと息で中団7番手からと、この馬としては厳しいポジション。勝負処から外マクって出て4コーナー5番手。最後の直線ではもうひと脚使って2着争いを制しました。正に新味発揮で予想を上回る進化。文句なく難関を代表する実力馬に。

3着 デルマルーヴル
 この日はプラス4キロの494キロ。活気があって毛ヅヤも上々。デキはピーク。レースはマーフィ騎手が多少気合をつけて外4番手から。勝負処からは追って3番手をキープ。前2頭からはやや離され気味になり直線へ。2着争いを演じたものの、ヒカリオーソに交わされ3着止まり。メンバー一枚落ちの名古屋グランプリは勝利しましたが、一線級に入るとワンパンチ不足して勝ち切れないのが現状。

4着 ミューチャリー
 この日はプラス2キロの465キロ。休養を挟んでもう少し増えてくるとみていましたが、成長今イチ。ただし、落ち着いていたのは好感。レースは人気落ちの気安さと御神本騎手がスローペースを見込んだのか、先行策に打って出て逃げるケイティブレイブにジカ付け。2周目3コーナーではこれを交わして先頭。ただし終始チュウワウィザードにマークされる形。最後の直線、交わされながらも抵抗していましたが、甘くなり4着。本来の差しに構えていればどうなったかは判断しかねるところですが、厳しい競馬を経験したのは今後の糧になりそうだし、戦法の幅が広がった点は評価に値。

5着 アナザートゥルース
 この日はマイナス1キロの484キロ。ややコロンと映る体型ですが、気合が乗って好調キープ。レースは好スタートから一旦引いて6番手から。勝負処から更に置かれてしまい、挽回が利かず5着。それほど切れる脚はなく、メンバーが揃うとどうしても入着ライン。

6着 ケイティブレイブ
 この日は増減なしの520キロ。堂々たる馬っぷりは健在で反撃態勢。レースはこの枠だけに森騎手が先手主張は予想通り。道中はペースダウンしてマイペース。ただし、残り600でミューチャリーに交わされて内3番手。何とかこらえて挽回を図りましたが、そこから盛り返す余力はなく6着。どうせ逃げるならもっと思い切って離して行くくらいの方が良かったかも。浦和記念で復活を果たしましたが、東京大賞典に続く敗退で評価が微妙に…。

第23回 TCK女王盃(Jpn3)

【予想】
◎ファッショニスタ
〇アンデスクイーン
▲マドラスチェック
△メモシーコウ
△サルサディオーネ
△ミッシングリンク

 JBCはゴールドクイーンの超ハイラップの逃げに攪乱され、ヤマニンアンプリメに巧く脚を使われてしまったファッショニスタ。大井千八で好枠からマイペース先行なら巻き返し確実と判断。アンデスクイーン、マドラスチェックなどJRA勢の争い。

【レース】
 サルサディオーネを制してクレイジーアクセルの逃げ。外に切り替えてサルサが2番手。加速がついてマドラスチェックが3番手。続いてミッシングリンク、メモリーコウ、ファッショニスタ、アンデスクイーン。ペースは平均。抜群の手応えで4コーナー先頭に並びかけたマドラスチェックが、残り300で先頭。迫るアンデスクイーンに差し返し気味に競り勝って嬉しい重賞初制覇を果たしました。

【上位馬の寸評】
1着 マドラスチェック
 この日はプラス2キロの506キロ。前走時に比べると落ち着きがあり好気配。レースは森騎手が気合をつけて先行態勢。スピードに乗ると行きっぷり良く3番手へ。道中の折り合いスムーズ。勝負処から痺れる手応えで進出して4コーナー併走。残り300で単騎先頭。すぐ背後に迫っていたアンデスクイーンとのマッチレースになり、一旦は相手に出られる感じもありましたが、差し返し気味に競り勝って1着ゴール。勝負強い走りを見せました。外枠からスムーズに運べたのが勝因ですが、更に成長が見込める明け4歳。

2着 アンデスクイーン
 この日はマイナス2キロの500キロ。相変わらず馬体をフックラ映して好調キープ。レースはルメール騎手が多少気合をつけて外7番手から。徐々に進出して4コーナーでは先行勢の直後へ接近。最後の直線は一旦先頭に立つシーンがありましたが、勝ち馬の意外な抵抗に遭い2着惜敗。近2戦は小回り浦和コースや先行有利の馬場に不発でしたが、条件揃った今回がこの馬の実力。今後も牝馬路線の主役級。

3着 メモリーコウ
 この日はプラス3キロの467キロ。ひと息後でも太目感なく好仕上がり。レースは古川騎手が気合をつけて先行。コーナーで少々外を回るロスがありましたが4番手へ。マイペースを守りつつ前との距離を測り直線へ。一旦は迫る気配を見せましたが、脚後は脚が止まって離された3着。それでも牝馬交流路線で通用のメドは立ちました。

4着 ファッショニスタ
 この日は増減なしの496キロ。間隔あきましたが、仕上がり早のタイプで太目感なし。態勢万全。レースはスタートひと息。川田騎手が追って内5番手へ。道中の反応ひと息でペースの割に置かれてしまい離れた7番手を追走。最後の直線は外に回して差を詰め4着。中身が伴っていなかったのか57キロを気にしたのか…。

5着 ナムラメルシー
 この日はプラス1キロの499キロ。ここ一連のデキ。レースは後方9番手からの競馬で、終い差を詰めて5着。2走前のクイーン賞でも1秒圏内の6着に頑張っていますが、その時と同じパターンで、自分の時計分は走って入着ラインに到達。

第63回 ニューイヤーカップ(S3)

【予想】
◎グリーンロード
〇ファルコンウィング
▲チョウライリン
△マンガン
△ピアノマン
△マナーザマジック

 溢れるスピードは既に証明済み。課題の千六も難なくクリアしたグリーンロード。唯一気懸りだった枠順も幸い内枠ゲットなら、先行押し切りが有力とみました。スンナリ逃げればファルコンウィング、これが甘くなるとチョウライリン、マンガンが浮上。

【レース】
 注目の逃げ争いは、スタートと枠順の差で速攻ケリがついてグリーンロードが逃げて2番手にファルコンウィング。モリデンスターが3番手で、マンガン中団、チョウライリンはその後ろ。ペースは平均やや速目。3コーナーからリードを広げたグリーンロードは、5馬身差を保って直線へ。その差を更に広げて大差勝利を収めました。甘くなったファルコンウィングを交わしてマンガンが2着。

【上位馬の寸評】
1着 グリーンロード
 この日はマイナス2キロの513キロ。抜群の馬っぷりに適度な気合乗りで文句なし。レースは隣のファルコンウィングより出脚が良く無理なくハナへ。平均速目のラップを刻んで後続の脚をなし崩しに使わせる戦法。3コーナーでファルコンウィングを振り切ってリードを広げ、5馬身差で直線へ。更に水が開いて2秒の大差勝ちを演じました。脚抜きのいい馬場とはいえ飛び抜けて速いレースレコード。クラシック路線は距離との戦いになりそうですが、手厚い高月厩舎の大将格として主役を担う存在。

2着 マンガン
 この日はマイナス1キロの451キロ。2ヶ月の休養明けですが、太目感なし。ただし見映えするタイプではない。レースは山崎誠騎手が多少気合をつけて馬を内に寄せて内6番手から。周囲に惑わされず自分のペースを守り4コーナーでは離れた4番手。最後の直線は外からジリジリと脚を伸ばし、バテたファルコンウィングを交わして2着に食い込みました。正味目イチの競馬ですが、距離は延びた方が良さそう。

3着 ファルコンウィング
 この日はプラス1キロの496キロ。間隔は詰まっていますが、馬体をフックラ映していい感じ。レースはグリーンロードより枠が一つ外で、しかもスタートに差があっては2番手に甘んじる形。追って追走して半馬身差に食い下がっていましたが、3コーナー手前から置かれて厳しい状況。最後の直線ではマンガンに抜かれて3着に終わりました。流れ的には致し方ない結果で、もし自分のペースを守って2着取りに徹すれば楽に確保できたはず。過去2勝が逃げて3秒2、3秒8差と圧倒的。距離延びていいかは微妙ですが、自分の形に持ち込めば重賞アッと言わせるシーンも。

4着 チョウライリン
 この日はプラス5キロの522キロ。若干太目に映りますが、これは体型的なものも。到って順調。レースは的場騎手が気合をつけて極力馬を内に寄せる形。向流しでは外8番手。そこからマクり上げる態勢でしたが、ペースが緩まず追走に四苦八苦。僅かに詰めた程度の4着に終わりました。2歳優駿を除けば重賞路線に皆勤賞で5、3、3、4着。距離延びていいタイプかもしれませんが、スピード、決め手ともに?で善戦マンの印象。

5着 モリデンスター
 この日はプラス3キロの458キロ。馬体はキリッと仕上がって完成度が高い。レースは保園騎手が気合をつけて前2頭を離れた3番手で追走。やけに強気に攻めましたが、さすがに最後は甘くなって5着。ただし一気にメンバーが上がってこの走りは高く評価すべき。間違いなく次走に繋がるはずだし、相手次第とはいえ次は狙いたい。

第64回 船橋記念(S3)

【予想】
◎ノブワイルド
〇キャンドルグラス
▲ラブミークン
△ストロングハート
△ナガタブラック
△ラディヴィナ

 アピアを完封した習志野きらっとSPからも距離適性高いノブワイルドに期待。当然実績上位キャンドルグラスが本線。

【レース】
 ミントフレイバー、ノブワイルド、ラディヴィナの逃げ争い。これを制してノブワイルドがハナ。先行3頭の直後にストロングハート。続いてキャンドルグラス。ラブミークン、ナガタブラックは後方から。2馬身リードして直線に向いたノブワイルドが逃げ切り態勢でしたが、残り100で脚が止まり外伸びたキャンドルグラスが1着。渋太く詰めたストロングハートが3着。

【上位馬の寸評】
1着 キャンドルグラス
 この日はプラス2キロの507キロ。馬体を大きく見せて絶好調。レースは御神本騎手が気合をつけて外5番手とほぼ想定通りのポジション。4コーナーでは離れた4番手で前とはまだ距離がありましたが、最後の直線は外から脚を伸ばして測ったような差し切り。ある程度距離の融通が利くスプリンターとして完成の域に。

2着 ノブワイルド
 この日はプラス1キロの503キロ。ローテーションは詰まっていますが、いつになく活気があり毛ヅヤも上々で文句なし。レースは好スタートから3頭雁行の逃げ争いを制してハナに。2馬身リードして直線に向きましたが、あと100で脚が止まって2着。最軽量の2頭に序盤競り込まれたのが響いた感じ。

3着 ストロングハート
 この日は増減なしの495キロ。この時季の牝馬ながら毛ヅヤを保ち好調キープ。レースは笹川騎手が気合をつけて逃げ争い3頭の直後4番手。4コーナーでは3番手。最後の直線はキャンドルグラスと一緒に脚を伸ばして3着。やはり血統通りのスプリンターで、強敵相手に本領発揮。

4着 ラディヴィナ
 この日はマイナス6キロの497キロ。相変わらず馬っぷりが冴えておりハイレベル安定。レースは好スタートから張田騎手が気合をつけて逃げ争い。2番手に落ち着き一旦は振り切られましたが、最後の直線は辛抱強く脚を伸ばして差のない4着。軽量もありますが、やはりスプリント能力は一級品。

5着 ラブミークン
 この日はプラス3キロの517キロ。堂々たる馬っぷりに衰えなし。レースは出脚が利かず外9番手から。正味直線だけの競馬で外から詰めて5着。加齢とともにズブさを増し、この距離はいかにも忙しい。

第56回 報知オールスターカップ(S3)

【予想】
◎センチュリオン
〇サウンドトゥルー
▲オールブラッシュ
△タービランス
△ストライクイーグル
△ヤマノファイト
△ヒカリオーソ

 JBCでは勝ちに行く競馬で3着に頑張ったセンチュリオン。前走の浦和記念が意外に動かなかったとはいえ、時計のかかる川崎の馬場ならパワフルな末脚が生きるとみました。ただし上位陣は拮抗。

【レース】
 予想通りにヒカリオーソがハナに行きましたが、これに注文を付けたのが今野オールブラッシュ。一周審前で一気にハナを奪い、向流しに入ると後続を大きくリード。ヒカリオーソは大事に2番手。中間地点を過ぎるあたりからストライクイーグル、センチュリオン、サウンドトゥルーなどが動いて3番手グループが熾烈。タービランスも負けじと追って追走。1馬身リードして直線に向いたオールブラッシュが、タービランスの追撃をハナ差抑えて復活V。

【上位馬の寸評】
1着 オールブラッシュ
 この日はマイナス3キロの503キロ。以前に比べると体つきが逞しくなって全く年齢を感じさせません。レースは発馬直後のリズムひと息。今野騎手が無理に抑え込まず、ペースの落ち着いた一周審前で解き放ってハナに。向流しではリードを広げて熾烈な2番手グループを尻目に快調な逃げ。追い駆けるヒカリオーソに1馬身差で直線へ。猛追するタービランスをハナ差抑えて復活Vを果たしました。衰えぬ実力もさることながら今野騎手のファインプレー。

2着 タービランス
 この日はマイナス11キロの531キロ。前走の道営戦は明らかに重目残り。入厩後はこのレースを照準にミッチリ調教を積んで仕上げてきました。レースはスタートひと息でも内3番手へ。向流しでは混沌とする3番手集団の内目を追って追走。最後の直線はヒカルオーソの内をすくうようにして脚を伸ばし、ハナ差に迫った処がゴール。明けて7歳を迎えましたが、抜群の馬っぷりと実力は健在。

3着 ヒカリオーソ
 この日はプラス15キロの470キロ。全く重目感はなく中身が伴った分。テンションの高さも気にならない程度。レースは好スタートから内の動向を窺いつつ自然にハナ。一周審前でオールブラッシュが来た際もどうぞお先にの自然体。離れた2番手でマイペースを堅持。勝負処から差を詰めて1馬身差で直線へ。タービランスに内をすくわれるようにして3着ですが、ゴール前は負けじと伸びており、正にイメージ一新。上の世代の実績馬とも互角以上に渡り合えることをアピール。

4着 ストライクイーグル
 この日はプラス6キロの519キロ。気合乗り十分の好馬体でハイレベル安定。レースは序盤は外2番手。向流しでは外3番手で、後続の進出に合わせてスパート。ただし手応え的には今イチ。それでもポジションをキープして直線へ。外から懸命に追ってきましたが、前3頭からやや水が開いた4着。数頭雁行の3番手グループの争いにやや消耗したか…。

5着 サウンドトゥルー
 この日は増減なしの472キロ。体に緩みがなく、全盛期に比べても見た目むしろいいくらい。レースは珍しく好スタートを決めて内を窺いつつ外6番手から。向流しでは早目に進出して3番手グループの大外。そこでの争いに若干後れを取り5番手で直線へ。そこから伸びる脚はなく5着に終わりました。向流しからの3番手争いの大外で脚を使ったのが響いたか…。

7着 センチュリオン
 この日は増減なしの539キロ。堂々たる馬っぷりはいつも通りで好気配。レースは森騎手が気合をつけて外4番手から。向流しでは3番手グループの一角で前を追う形。勝負処での手応え今イチでやや劣勢。全く挽回できず7着に終わりました。これも数頭雁行の中で消耗したのかもしれませんが、ややピークを過ぎた可能性。

第43回 東京2歳優駿牝馬(S1)

【予想】
◎レイチェルウーズ
〇ブロンディーヴァ
▲ルイドフィーネ
△コーラルツッキー
△サブノアカゾナエ
△ミステリーベルン
△マッドシティ

 前走は先を見据えて内で砂を被せる競馬。勝負処から反応良くマクり上げて難なく千五をクリアしたレイチェルウーズ。抜群のスピード能力に非凡なレースセンス。外枠不問、無傷でタイトル奪取とみました。ブロンディーヴァが本線。

【レース】
 内枠からテーオーブルベリーが先手を主張。これを追い駆けたのが人気のブロンディーヴァ。ルイドフィーネは先行直後を追走。レイチェルウーズは中団、サブノアカゾナエは後方から。ペースは前日のシンデレマイルを上回る速目の流れ。勝負処から前2頭が後続を大きくリード。離れた3番手に上がってきたのがルイドフィーネとレイチェルウーズ。最後の直線、ブロンディーヴァを振り切ったテーオーブルベリーが逃げ切り態勢でしたが、さすがにハイペースが祟って一杯加減。レイチェルウーズが一気に交わして無傷で重賞制覇を果たしました。

【上位馬の寸評】
1着 レイチェルウーズ
この日はマイナス6キロの448キロ。数字以上に大きく見せて適度な気合乗り。完成度が高い。レースはスタートひと息。それでも本田正騎手は慌てず騒がず大外枠から徐々に内に寄せて中団7番手から。折り合いスムーズにポジションを上げ、勝負処からいよいよ追い上げ態勢に入り離れた3番手。最後の直線でもうひと伸びして楽に前を捕らえました。とにかく操縦性に優れているというか、危ういシーンが全くない。文句なく牝馬クラシック路線の主役。

2着 テーオーブルベリー
 この日はプラス3キロの462キロ。園田、笠松と遠征してきましたが、疲労感はなく馬体をキープ。力を出せる仕上がり。レースは森騎手が気合をつけて先手を主張。ブロンディーヴァがプレッシャーをかけてきたので、前日のシンデレラマイルを上回る2歳牝馬としてはハイペース。勝負処からは2頭で後続を大きくリード。さすがに最後は脚が止まってレイチェルウーズの軍門に下りましたが、人気のブロンディーヴァを振り切っての頑張りは勝利に匹敵。モマれた際に大敗は背中合わせですが、そのスピード能力は相当。レースぶりからはスプリンターの気配も。

3着 サブノアカゾナエ
 この日はマイナス6キロの459キロ。特に前走時と変わらぬ気配。レースは好スタートから内10番手。経済コースをロスなく進出して4コーナーでは離れた5番手。最後の直線は外から詰めて3連馬券の穴目提供。最高に巧く運びました。

4着 ルイドフィーネ
 この日はプラス6キロの450キロ。使い減りした馬体を多少でも戻したのは好感。落ち着きもありマズマズ。レースは笹川騎手が気合をつけて外5番手から。積極的に前を追い4コーナーでは離れた3番手。最後の直線は内を突いて目イチの3着ですが、このキャリアで初コースを考えれば上等。一本筋の通った母系。父サウスヴィグラスでも距離をこなしそうなタイプ。ローテーに余裕を持たせて馬体を増やしてくれば、地元関東オークスあたりで案外面白いのでは。

5着 ブロンディーヴァ
 この日は増減なしの511キロ。馬体をフックラ映して適度な気合乗り。ハイレベル安定。レースは好スタートから馬なりで2番手。ハイピッチで飛ばすテーオーブルベリーにジカ付けして後続を大きくリード。人気に見合う結果が期待されましたが、予想外の相手の抵抗に音を上げて競り負け5着に後退。大事に乗れば楽に3着はあった競馬ですが、これは結果論。現在のこの馬の能力を量るには格好のレースでした。

第13回 東京シンデレラマイル(S3)

【予想】
◎ミッシングリンク
〇ステップオブダンス
▲サンルイビル
△サラーブ
△ペタルーダ
△アークヴィグラス
△ローレライ
△オルキスリアン

 交流重賞初挑戦でTCK女王盃を制したミッシングリンク。以降今イチでも、浦和へ移籍後は距離に幅を持たせてそれなりに対応。馬っぷりの良さから伸びシロは残しており、南関同士なら実績信頼。混戦だけに手広く。

【レース】
 好スタートを決めたミッシングリンク、ステップオブダンスが内から先行態勢。そこにポッドギル、ストロングハートが加わり、行き切ったのはポッドギル。2番手にミッシングリンク。内々引いてステップオブダンス。その外にレガロデルソル。中団にオルキスリアン、後方追走はローレライ、ペタルーダ、サンルイビル。ペースはやや速目。出遅れたサラーブがマクり上げて前に接近、後続も追い上げ態勢。最後の直線、一旦先頭に立ったミッシングリンクに差し追い込み勢が殺到して予想通りの大混戦。外伸びたローレライが1着、中を割ったオルキスリアンが2着、大外詰め寄ったサンルイビルが3着と完全な追い込み競馬。

【上位馬の寸評】
1着 ローレライ
 この日はプラス2キロの463キロ。それほど見映えする馬ではないし例によってテンションが上がり気味ですが、馬体をキープしてマズマズ。レースは出たなりに馬を内に寄せて後方12番手から。3コーナー手前から内に潜り込んでコースロスを避け脚を温存。直線は外に持ち出し持ち前の一瞬のキレを最大限に生かし切しました。7月の交流スパーキングレディーCの3着は無欲の直線勝負でラチ沿いを狙っての好走。勝つイメージは沸きませんでしたが、本田正騎手の好騎乗が勝利をもたらしました。

2着 オルキスリアン
 この日はプラス7キロの509キロ。体重の割にスリムな体型で増えたのは好感。この510キロ前後が理想。レースは今野騎手が気合をつけて外8番手から。この馬としては後ろ目のポジションですが、腹を括って末脚を生かす作戦。ジリジリという感じでしたが、馬群の中を割って脚を伸ばし2着に食い込みました。交流重賞を再三経験。この夏には園田へ遠征して渋い末脚を繰り出し2着。そういった経験が生かされて、従来の先行型からひと皮剥けた印象。

3着 サンルイビル
 この日は増減なしの448キロ。1年を通して休みなく使われこれが今年17戦目。特に上積みは感じませんが、これほど体重が一定している馬も珍しい。レースは例によって序盤は後方待機。勝負処から仕掛けてマクって出て大外へ。前が厳しい大混戦に完全にハマったかと思われましたが、惜しくもローレライに後れを取り2着。この馬の力は出し切りました。

4着 ペタルーダ
 この日はマイナス1キロの474キロ。間隔をあけたローテーを守り馬体安定。レースはダッシュが利かず後方から。前哨戦は向正面で一気に押し上げて2番手に上がりましたが、この日はペースが速く直線勝負。内を突いて横一線に叩き合いに加わり惜しい4着。これも前が止まる時計のかかる決着に乗じて力を出し切りました。

5着 レガロデルソル
 この日はマイナス2キロの509キロ。近走やや成績がトーンダウンですが、活気があって気配落ちなし。レースは西騎手が気合をつけて外6番手から。4コーナーで先頭に立ち、最後の直線では一旦先頭を窺うシーン。惜しくも甘くなって5着ですが、前が厳しい流れを強気の競馬でこれだけ頑張れたのは次に繋がりそう。

6着 サラーブ
 この日はプラス6キロの518キロ。馬っぷり上々、二度叩いての良化確か。レースはスタートひと息。御神本騎手が気合をつけて外10番手から。向流しに入ると行き脚がついてポジションを上げ4コーナーでは3番手まで進出。さすがに外を回って脚を使ったので更にひと脚は利きませんでしたが、あの競馬で0秒1差は上等。キャリア的にも伸びシロ満載なら、次走は狙ってみたい。

8着 ミッシングリンク
 この日は増減なしの537キロ。牝馬離れしたパワフルな好馬体は健在。気合も乗って上々の仕上がり。レースは好スタートから笹川騎手が強気に出して行って2番手へ。道中の行きっぷり良く4コーナー併走。最後の直線では一旦先頭に立ちましたが、完全な追い込み競馬に呑み込まれて8着。スプリンターのポッドギル、ストロングハートと一緒になって先行する競馬は負荷がかかり過ぎた感じ。TCK女王盃を勝っているように、もう少し長目の距離ベターか。

第65回 東京大賞典(G1)

【予想】
◎モジアナフレイバー
〇ゴールドドリーム
▲オメガパフューム
△ノンコノユメ
△ケイティブレイブ
△ロンドンタウン
△ロードゴラッソ

 錚々たるタイトルホルダーは揃ったものの、絶対王者的な信頼感は? それなら着実にステップアップしたモジアナフレイバーで勝負になると判断。ゲート安定して本格化、決め手勝負もドンと来い。ここからの流しで。

【レース】
 内からアポロテネシーが逃げてケイティブレイブ、ゴールドドリームの並び。その内にロンドンタウン、外にロードゴラッソ。離れた中団内にノンコノユメ、外にオメガパフューム。これをマークするようにモジアナフレイバー。ペースは平均。勝負処からゴールドドリームが動き、それに呼応するように後続も接近してレースが緊迫。最後の直線、一旦ゴールドドリームが抜けかかりましたが、背後に迫っていたオメガパフュームが残り200で先頭。内目を割ったノンコノユメとの争いになりましたが、競り勝ったオメガパフュームが連覇達成。モジアナフレイバーはいい感じで進出したものの水を開けられた3着。

【上位馬の寸評】
1着 オメガパフューム
 この日はマイナス1キロの451キロ。相変わらず見映えは今イチですが、馬体をキープして落ち着きもありマズマズ。レースはほぼ出たなりに外7番手から。勝負処から手応え良くマクって出て4コーナー4番手。残り200で先頭に立ち、食い下がるノンコノユメを退けて見事に連覇達成。正に大井二千の申し子。見た目とは裏腹にとにかく勝負強い。

2着 ノンコノユメ
 この日はマイナス2キロの443キロ。オメガパフュームと同様にダートのA級馬としては小柄ですが、馬体を大きく見せて好調キープ。レースは出たなりに真島騎手が馬を内に寄せて内6番手から。先行5頭から水が開いた処でペース的にも絶好のポジション。最後の直線も内目に進路を取り、馬群の中を割ってオメガパフュームとの競り合いに持ち込みましたが、同じ脚になり惜しくも2着。勝島王冠の内容から3連のヒモまでかなとみていましたが、この馬は相手が強ければ強いほどいいパフォーマンスを発揮。頭が下がる。

3着 モジアナフレイバー
 この日はプラス7キロの519キロ。ハード調教を敢行してデビュー以来の最高体重。全く太目感なく充実顕著。レースはこの馬を完全に掌握している繁田騎手が泰然自若に構え離れた8番手から。オメガパフュームをマークする格好。相手のスパートに合わせて進出、手応え良く一番大外に回して直線へ。突き抜ける期待感満載でしたが、あと100で脚が止まり前2頭から離された3着。勝ち馬は別として、ノンコノユメとは通ったコース取りの差が出たか…。

4着 ゴールドドリーム
 この日はマイナス13キロの523キロ。体重の増減幅の大きな馬ですが、馬っぷりは冴えており、このくらいがちょうどいい感じ。適度な気合乗り。レースは出たなりにここ一連と同様の先行策。外3番手はペース的にもマズマズ。手応え良く動いて直線へ。ケイティブレイブを交わして一旦は先頭に立つシーンもありましたが、すぐ背後に迫っていたオメガパフュームに交わされ、更に内外から殺到されて4着。基本的に二千は少々長い感じ。ジックリ差しに構えた方が良かったのかもしれませんが、これは結果論。

5着 ロードゴラッソ
 この日はマイナス4キロの465キロ。これで3戦続けて南関に出走。近2戦と同様に落ち着きがあり状態安定。レースは出たなりに外5番手、先行グループの一角。勝負処からロンドンタウンを交わして直線は内に進路を。目一杯に叩き出してきましたが、離された5着。やはり一線級とは開きがあるようです。

8着 ケイティブレイブ
 この日はプラス3キロの520キロ。浦和記念の時も悪くありませんでしたが、今回も気合が乗って毛ヅヤ上々。手術後の後遺症など全く感じられません。レースはスタートで少々外にヨレましたが、さほど影響はなくアポロモンスターに行かせて外2番手から。スムーズな運びでしたが、勝負処からゴールドドリームに並ばれると手応えが怪しくなり、最後の直線は呆気なく後退。ゴールドドリームに圧をかけらて競り合う形は、この馬の苦手なパターン。それと目に見えない反動もあったか…。次走での巻き返しに期待。