第57回 ゴールドカップ(S2)

【予想】
◎ノブワイルド
〇ブルドッグボス
▲トロヴァオ
△アドマイヤゴッド
△アルファベット
△ツーエムマイスター

 JBCはコパノキッキングに絡まれ、異例のハイラップを刻んで甘くなったノブワイルド。さほど無理なく逃げられそうな今回は、ブルドッグボスを逆転できるとみました。2頭の争いに割って入ればトロヴァオ、アドマイヤゴッド。

【レース】
 ある程度予想された逃げ争いは早々に決着がついて、ノブワイルドが逃げてタイセイラナキラは2番手。向流しでアドマイヤゴッドが3番手に上がり、その内にアルファベット。ブルドッグボスは中団内。その後ろにトロヴァオ。ほぼ想定通りにノブワイルドのペース。勝負処から2番手に上がったアドマイヤゴッドを2馬身リードして直線に向いたノブワイルドが逃げ切り態勢でしたが、抜群の切れ味を発揮したブルドッグボスが、ゴール寸前これを交わして1着ゴール。アドマイヤゴッドも詰め寄り大健闘の3着。

【上位馬の寸評】
1着 ブルドッグボス
 この日はプラス12キロの532キロ。相変わらず馬っぷりは冴えていますが、いくらか楽をさせたのか余裕の造り。レースは両サイドに比べると出脚ひと息で内6番手から。道中は御神本騎手が追って追走。勝負処からマクり上げる形で4コーナー4番手。前とはまだ差がありましたが、直線抜群の切れ味を繰り出して測ったような差し切り。貫録を示しました。7歳の後半を迎え、驚異の復活劇。

2着 ノブワイルド
 この日はプラス1キロの502キロ。パドックではいつも大人しいタイプ。馬体をフックラ映してデキはハイレベル安定。レースは例によって好スタートを決めて無理なくハナ。テンの入りは23秒6~35秒9とJBCに比べれば遥かに楽なペース。追走するアドマイヤゴッドを振り切り2馬身リードして直線へ。勝ちパターンかと思われましたが、最後の100で甘くなり再びブルドッグボスに屈する形。結果論ですが、JBCは極端過ぎるとしてもう少し緩めず飛ばした方が良かったかも。競馬は難しい。

3着 アドマイヤゴッド
 この日はプラス1キロの500キロ。馬体充実、活気があり絶好調。レースは今野騎手が気合をつけて前2頭を追走。向流しでは3番手に上がり、勝負処では2番手に。ノブワイルドのラストスパートに一旦は置かれましたが、最後の直線で再び詰め寄り惜しい3着。4着に6馬身差と実に中身の濃い競馬。先着2頭と同じ7歳終盤ですが、南関の水に慣れて再び旬を迎えた感じ。

4着 トロヴァオ
 この日はプラス5キロの474キロ。馬体増好感、落ち着きもあり気配上々。レースは好スタートから矢野騎手が気合をつけて内8番手から。ただし意外にポジションを上げられずに直線勝負の形。離された4着は、JBCの走りとこの日の気配を考えるとを考えると大いに不満。JBCは超ハイラップの上がりのかかる競馬に乗じたということか…。

5着 アルファベット
 この日はプラス6キロの494キロ。活気があり実に好調期間が長い。レースは張田騎手が気合をつけて内3番手からと積極的な競馬。ただし勝負処から置かれ気味になり離されての5着は現状の力通りということか。これを糧に更なる成長を期待。

第70回 全日本2歳優駿(Jpn1)

【予想】
◎ヴァケーション
〇メイショウテンスイ
▲ゴールドビルダー
△テイエムサウスダン
△ティーズダンク
△インペリシャブル
△キメラヴェリテ

厳しい競馬を凌いで平和賞を勝利したヴァケーション。タフな船橋千六であの競馬ができたのは収穫。JRAのタイトルホルダーもそれほど傑出した馬はおらず、地の利を加味すれば狙えると判断しました。メイショウテンスイ本線に手広く。

【レース】
 一番枠から好スタートを決めたアイオライトが無理なくハナに行き、矢野インペリシャブルは早々にあきらめて2番手。離れた3番手にテイエムサウスダン、その外にメイショウテンスイ。内を突いてゴールドビルダーがスルスル進出。後退気味のキメラヴェリテを交わしてヴァケーションが追い上げ態勢。前2頭のペースは速目。インペリシャブルを振り切ったアイオライトが2馬身リードして直線に向きましたが、4コーナーで接近したヴァケーションが、2番手グループの中から鋭く伸びて1着ゴール。アイオライトが2着に粘り、外強襲のティーズダンクが3着。

【上位馬の寸評】
1着 ヴァケーション
 この日はプラス1キロの469キロ。少々テンションが上がり気味なのはいつも通り。馬体をキープして前走のデキは維持。レースはこの馬にしては若干控えて中団8番手から。向流しの中間過ぎからスパートを開始して4コーナーでは2番手グループの一角に。最後の直線は馬込みを割り、外伸びて鮮やかな差し切り勝ち。流れを読んだ吉原騎手の好騎乗も光りました。レースぶりから距離延長には対応できそうな感触。もうひと回り馬が成長してくれば、当然クラシック路線の有力候補。

2着 アイオライト
 この日はプラス4キロの484キロ。均整の取れた好馬体。活気もありなかなかいい。レースは好スタートからさほど無理なくハナへ。若干速目でも馬の気任せで気分を損なわせずこの馬のペース。3コーナーでインペリシャブルを振り切り、2馬身差で直線へ。最後は初距離もあり甘くなって差し込まれましたが、スピード能力の高さを存分に発揮しました。2連勝が千二の大外枠から相手の出方を窺いつつ快勝。今回初距離千六の最内枠でモマれた際がどうかの懸念がありましたが、先手主張ならこの結果も納得。

3着 ティーズダンク
 この日はマイナス5キロの481キロ。レースを使い込んでいる馬でそれほどの変化は感じませんが前走のデキ。レースは速い流れに置かれる形で外10番手から。3、4コーナーからマクり上げて中団へ。上がりのかかる流れに乗じて外強襲、3着に押し上げました、恵まれた面は否めませんが、キャリアを生かした渋い競馬。常にマークが必要な存在。

4着 メイショウテンスイ
 この日はマイナス10キロの497キロ。体重の割にボリューム感ひと息。ややうるさい面も。レースは出たなりに外4番手から。折り合いスムーズに進めましたが、最後は詰めを欠いて離された4着。道中外々を回るロスを考慮すれば仕方ないかもしれませんが、内容的には今イチ。

5着 テイエムサウスダン
 この日はプラス2キロの516キロ。重心の低いコロンとした体型はいかにもサウスヴィグラス産駒。レースはデムーロ騎手が多少気合をつけて離れた3番手から。ペース的には悪くないポジション。4コーナーで接近して直線に向きましたが、追って鋭い脚が使えず流れ込んだ形の5着。前述メイショウテンスイも含め兵庫JGのレースレベル? それと血統、見た目、レースぶりからスプリンターのイメージ。

7着 ゴールドビルダー
 この日はプラス3キロの480キロ。馬体をフックラ映して落ち着きもありハイセイコー記念を勝った当時と同等。レースは出たなりに内5番手から。向正面から内を突いてスルスル進出して4コーナーでは離れた2番手に押し上げましたが、最後の直線は伸びを欠いて着外。それでもこの相手に結局的な競馬を展開したのは今後に繋がりそう。

9着 キメラヴェリテ
 この日はマイナス7キロの525キロ。大型馬でもそれほど迫力を感じさせずどうかな…という印象。レースは中団を進みましたが、全く流れに対応できず早々に後退して見せ場なし。北海道2歳優駿は2着が道営馬だし、いかにも単騎マイペース。それほどのスケールは感じません。

第65回 クイーン賞(Jpn3)

【予想】
◎プリンシアコメータ
〇ミッシングリンク
▲アンデスクイーン
△ラインカリーナ
△クレイジーアクセル
△トーセンガーネット

 前走は負けパターンにハマったプリンシアコメータ。外枠を引いた今回は外目好位をスンナリ進めるとみて本領発揮に期待。ただしミッシングリンク以下上位拮抗。

【レース】
 予想通り内からクレイジーアクセルが行ってラインカリーナ、プリンシアコメータの並び。その内にミッシングリンク。出遅れたアンデスクイーンは後方からで平均ペース。残り800から徐々にピッチを上げたクレイジーアクセルが2馬身リードして直線へ。もがく後続各馬を尻目に見事に交流重賞をゲットしました。2着プリンシアコメータ、3着ラインカリーナと行ったままの決着。

【上位馬の寸評】
1着 クレイジーアクセル
 この日はマイナス5キロの494キロ。3歳時に比べると見違えるほど馬が成長したし落ち着きも伴い好仕上がり。レースは内枠から軽く気合をつけてハナ。後続と適度な距離間を保って残り800から徐々にペースアップ。2馬身リードして直線に向き、その差を詰めさせませんでした。先行有利な馬場状態と吉原騎手の好騎乗、それに斤量差もありますが、グランダムジャパン古馬シーズン優勝に続いて交流重賞ゲットはお見事。

2着 プリンシアコメータ
 この日はプラス1キロの491キロ。いつも通りの気配ですが、この時季にしては毛ヅヤが良く、オールシーズン稼働型の牝馬。レースは岩田騎手が気合をつけて外3番手。ほぼ描いていた通りのポジション。最終コーナーでは2馬身差の2番手に上がりましたが、そこから先が遠く、なかなか差が詰まらず2着を死守という格好。若干ピークを過ぎ方…。

3着 ラインカリーナ
 この日はプラス3キロの483キロ。もう少し増えてもいい感じですが、オークス当時に比べれば落ち着いており悪くない。レースは好スタートを決めて外2番手からはこれもほぼ予想通り。最終コーナーではプリンシアコメータに交わされて内3番手。直線は内を突いてイン粘りの形でバテず伸びずの3着。根が逃げ馬で追っての味はない。

4着 ミッシングリンク
 この日はマイナス3キロの537キロ。牝馬離れした好馬体。気合も乗って上々の仕上がり。レースは出たなりに内に寄せて内4番手から。ペースとこの馬の脚質を考えれば妥当なポジション。ペースアップした際も追って追走して直線は外に。ジリジリ詰めて4着ですが、終い1ハロン14秒2も要したことを考えれば、もう少し詰め寄って良し勝った。

5着 アンデスクイーン
 この日は増減なしの502キロ。パドックではいつもそれほど気合を表に出さない馬。馬体の張りは上々。レースは出出遅れて後方8番手から。道中は思うようにポジションを上げられず、直線勝負で差を詰めて5着。先行有利の馬場と展開に殺されたというところでしょうが、今イチ物足りなさも。

第11回 勝島王冠(S2)

【予想】
◎モジアナフレイバー
〇ノンコノユメ
▲グレンツェント
△ドリームドルチェ
△バルダッサーレ
△サブノクロヒョウ
△サウンドトゥルー
△マイネルバサラ

 最強クラスを相手にアワヤ勝つかというシーンを演じた南部杯のモジアナフレイバー。ケート難も解消してマイルの高速決着にも対応。自他ともに認める南関を代表する実力馬に成長なら、斤量不問で連覇有力。もちろん相手はノンコノユメ。

【レース】
 レースを作ると思われた小久保厩舎の2頭ドリームドルチェが抑えて、マイネルバサラは出脚つかず。逃げたのはリコーワルサーでウマノジョー、カンムルの並びは想定外。当然スローで、ノンコノユメが先行グループの直後、これをマークするようにモジアナフレイバー。サウンドトゥルーは例によって後方から。4コーナーで2番手に上がったノンコノユメが前を追いましたが、切れ味ひと息。すぐ背後に迫っていたモジアナフレイバーの伸び脚が勝り残り200で先頭。鮮やかに突き抜けて連覇を達成しました。古豪サウンドトゥルーが3着。

【上位馬の寸評】
1着 モジアナフレイバー
 この日はプラス2キロの512キロ。活気があり遠征疲れもなく一連の好調をキープ。レースは五分に出て馬の気任せに中団の馬込み8番手から。ペースの割に泰然自若に構え、ノンコノユメのスパートに合わせるように進出。痺れる手応えで4コーナーでは3番手に上がり、残り200で前2頭を並ぶ間もなく交わして先頭。難なく連覇を達成しました。ゲート不安が解消、初の58キロを背負って57キロのノンコノユメをひとひねり。次走で大仕事の可能性も。

2着 ノンコノユメ
 この日はプラス3キロの445キロ。近走と同様に馬体をフックラと映して落ち着きもあり好仕上がり。レースは出たなりに進めて外5番手から。先行ペースに3着に終わった近2走の轍は踏まないという運び。勝負処からマクって出て4コーナー2番手。普通ならこの馬で仕方ないところですが、意外に逃げるリコーワルサーを交わすのに手間取ってしまい、そこをモジアナフレイバーの末脚に屈しました。速い流れをジックリ差しに構える形がベストということかもしれませんが、勝ち馬との勢いの差は否めず。

3着 サウンドトゥルー
 この日はプラス1キロの472キロ。休み明けの割に意外に重目感はなく、思ったよりいい感じ。レースは例によってジックリ構えて後方14番手から。4コーナー手前から勢いをつけてマクって出て中団へ。この馬らしい息の長い末脚を繰り出して3着に追い上げました。得意の時季に照準を合わせての復帰戦で古豪健在をアピール。さすがに突き抜けるまでのイメージは沸きませんが、常にマークが必要。

4着 リコーワルサー
 この日はプラス9キロの501キロ。JRAの2戦を挟んでおり掴みづらい面はありますが、見た目にフックラ映して好調時と変わらぬ気配。レースは他の先行勢の諸々の事情で意外な単騎マイペース。かなり楽をしていたのでノンコノユメの追撃にも渋太く応戦していましたが、残り200でモジアナフレイバーに交わされ力尽きた感じ。展開の恩恵を受けた4着。

5着 マイネルバサラ
 この日はマイナス8キロの483キロ。浦和記念からの連闘でこれは絞れた分とみるべきか。レースは逃げも想定していましたが、躓いてしまい腹を括った待機策。ジックリ溜めて直線勝負、インを突いて5着と一応掲示板を拾いました。そのうち大駆けがあるかも。

6着 グレンツェント
 この日はプラス1キロの479キロ。休み明けの前走マイルグランプリ当時と同様に気合が乗って好気配。レースは出たなりに先行グループの一角を形成。手応え良く直線に向いてこれなら勝負になるかと思われましたが、追ってからサッパリ伸びず6着。二度目の反動が出たのか…。正直不満の残る内容。

第40回 浦和記念(Jpn2)

【予想】
◎デルマルーヴル
〇センチュリオン
▲アナザートゥルース
△ロードゴラッソ
△ケイティブレイブ
△マイネルバサラ
△オールブラッシュ

 あと一歩の詰めが甘いデルマルーヴルですが、手応えの割に渋く脚を伸ばしレースぶりから長距離への適性は抜群。依然として斤量に恵まれて惜敗返上とみました。迎え討つセンチュリオン本線に手広く。

【レース】
 丸山騎手が気合をつけてアイファーテイオーがハナ。マイネルバサラが2番手に行き、外に回してケイティブレイブが3番手。その内にデルマルーヴル。アナザートゥルースは向流しに入ると即ポジションを上げ5番手。ロードゴラッソ、センチュリオンと続き平均ペース。残り600からピッチを上げたケイティブレイブが3コーナー先頭。2番手アナザートゥルースを3馬身離して直線へ。そのリードを保って格の違いを見せつけました。

【上位馬の寸評】
1着 ケイティブレイブ
 この日はプラス4キロの517キロ。体型的なもので多少太く映りますが、活気があって悪くない。正直思った以上の好仕上がり。レースはスタート直後の反応はひと息でしたが、行き脚がつくとスムーズで馬を外に回し3番手、理想的なポジション。道中の折り合いスムーズ。残り600からスパートして即座に3コーナー先頭。3馬身リードして直線に向き、付け入る隙を与えませんでした。アクシデント後でどうかと思いましたが、衰えぬ実力をアピール。東京大賞典に向けて復活をアピールしました。

2着 アナザートゥルース
 この日はプラス1キロの483キロ。馬体フックラ、年齢の割にキャリアの浅い馬ですが、落ち着きがあり完成度が高い、レースはスタートひと息で序盤は慎重策。向流しに入ると一気にポジションを上げ4番手へ。4コーナーでは2番手。結局その差を詰め切れませんでしたが、手堅く2着を確保。マダマダ伸びシロを残していそうだし、レース巧者で大崩れしないタイプ。

3着 ロードゴラッソ
 この日はプラス4キロの469キロ。コンパクトにまとまった馬体。スケールは感じさせませんが好調間違いなし。レースはスタートひと息で内8番手から。向流しに入るとポジションを上げ6番手から4コーナー4番手。直線も外からジリジリ脚を伸ばして3着。ややパンチ不足ですが、浦和コース二度目で変わり身を示しました。

4着 デルマルーヴル
 この日はプラス8キロの495キロ。馬体増好感、活気がありいかにもデキが良さそう。レースは出たなりに進めて内4番手から。好位置をゲットしましたが、道中の反応ひと息でやや余裕のない追走。終い内を突いて差を詰め4着はやや物足りない結果。基本的に小回りコースは合わないのかもしれませんが、ここ一連勝ち切れないのも納得。

5着 センチュリオン
 この日はマイナス3キロの539キロ。相変わらず馬っぷりが冴えており、この馬にしては気合も乗って上々。レースはスタートひと息。森騎手が気合をつけて序盤は内5番手。ただし、行きっぷり今イチでポジションを下げ中団の馬込み。ソコソコ差を詰めてきましたが差のある5着。やや不完全燃焼。

第30回 ロジータ記念(S1)

【予想】
◎シャイニングアカリ
〇ケイティマドンナ
▲サツマキリコ
△グランモナハート
△ゼットパッション
△リトミックグルーヴ

 重賞にしては今イチのメンバー。少頭数の割に難解ですが、長距離を二度使ってこのレースに備えてきた地元シャイニングアカリに期待。良血ケイティマドンナ、トライアル勝利のサツマキリコ、稽古動いたグランモナハートなど横一線。

【レース】
 スタートひと息のシャイニングアカリですが、山崎誠騎手が気合をつけてハナを主張。ケイティマドンナも出遅れましたが、一瞬スタンド前で2番手に進出。グランモナハート、サツマキリコは中団。リトミックグルーヴは後方から。ペースはスロー。勝負処で一旦離しにかかったシャイニングアカリを再びケイティマドンナが追い詰めて直線へ。最後は差し馬勢も殺到して大混戦になりましたが、中を割ったグランモナハートが1着、外伸びたリトミックグルーヴが2着。

【上位馬の寸評】
1着 グランモナハート
 この日はマイナス7キロの463キロ。入念に攻め込んで仕上げてきた感じ。落ち着きもある。レースは本田正騎手が気合をつけて内6番手から。道中はロスなく進めて4コーナーでは内4番手。ゴール前の攻防で中を割って抜け出し1着ゴール。この時点での未勝利馬が重賞Vは珍しいケース。鞍上の落ち着いた騎乗ぶりが光りました。

2着 リトミックグルーヴ
 この日はマイナス8キロの427キロ。やや減った印象も…。レースはスタートは出たものの、吉原騎手が抑え込んで後方から。向流しの中間あたりから一気に動いてポジションを上げ、最後の直線も大外から伸びて2着。長く脚を使えたのが注目点で、長距離への適性が高そう。

3着 ケイティマドンナ
 この日はマイナス2キロの464キロ。馬体から大きな上積みは感じませんが、落ち着きを伴い一連のデキ。レースは出遅れ。森騎手が落ち着いて捌きペースの落ちる一周ホームストレッチで自然な形で2番手へ。勝負処でペースアップしたシャイニングアカリに2馬身差で直線へ。辛抱して脚を伸ばしてシャイニングアカリを交わしましたが、そこを差し馬に殺到されて3着。内容は伴っており、やはり血統に裏打ちされた素質は相当。

4着 アブソルートクイン
 この日はプラス17キロの470キロ。全く太目感はなく、中間の調整過程がすこぶる順調だった様子。レースは佐藤友騎手が気合をつけて内4番手から。勝負処からは前2頭を追って追走。最後の直線は外に切り替え、混戦の叩き合いに加わり見せ場十分の4着。この走りができれば、自己条件なら堂々主役級。

5着 シャイニングアカリ
 この日はプラス2キロの472キロ。多少テンションは上がり気味でも、むしろ活気があっていい感じ。レースはスタートひと息。山崎誠騎手が気合をつけて先手主張。スローに落とし込み、残り800からスパートして追走のケイティマドンナを振り切る形。2馬身リードして直線に向きましたが、最後の100で甘くなり殺到されての5着。力通りか。

9着 サツマキリコ
 この日はプラス5キロの505キロ。増えてきたのは好感で好調キープ。レースは出たなりに外6番手から。決して悪い位置取りではありませんでしたが、全く見せ場を作れないまま大敗。トライアルは殿りからの競馬でハマった感じですが、やはり常識に掛からない。

第19回 ローレル賞(S2)

【予想】
◎ミナミン
〇バブルガムダンサー
▲ブロンディーヴァ
△ルイドフィーネ
△プリモジョーカー
△トキノカナエル
△スティローザ

 鎌倉記念では巧く馬込みを避けて進め、強力な1、2着馬に食らい付いたミナミン。依然として気性面に課題を抱えるものの地力相当。多頭数の捌きがカギでも、展開の利を見込んで◎。相手も差し馬バブルガムダンサー。

【レース】
 内枠からスタート決めたスティローザの逃げ。ノラは抑えて2番手。その内にルイドフィーネ、外にブロンディーヴァ。今回も出遅れたミナミンは中団。バブルガムダンサーは後方からでスローペース。勝負処から動いたブロンディーヴァは1馬身差で直線に向き、残り200で先頭。前走同様の渋い走りで見事に重賞をゲットしました。内を突いたルイドフィーネが2着。

【上位馬の寸評】
1着 ブロンディーヴァ
 この日はプラス3キロの511キロ。均整の取れた好馬体に適度な気合乗りで絶好調。レースは前走と同じく主張する馬に行かせて外3番手を大名マーク。勝負処から動いて1馬身差で直線へ。残り200で先頭に立ち、追撃を凌ぎました。時計の1分43秒4は例年と比べても及第点以上のモノ。かなり奥を秘めている好素材。

2着 ルイドフィーネ
 この日はマイナス9キロの444キロ。サウスヴィグラス産駒にしてはスッキリした体つき。もう少しあってもいい感じ。レースは笹川騎手が気合をつけて内3番手から。ほぼブロンディーヴァと併走の形で4コーナーでは1馬身差で内を狙う形。ゴール前の競り合いで後れを取りましたが、一瞬差し返すシーンも。前走に続いてブロンディーヴァに敗れましたが、いい意味で走りが渋い。案外距離延びた方がいいタイプか。

3着 ミナミン
 この日はプラス3キロの447キロ。懸念した馬体減りはなく順調な仕上がり。レースは出遅れ。赤岡騎手が気合をつけて内7番手へ。道中は極力ロスを避けて内に拘り、最後の直線は外へ。ジリジリ詰めて3着争いに競り勝ちました。使われながら荒削りな面が抜けてきた印象も。先行ペースを考えればマズマズの内容。

4着 マッドシティ
 この日はマイナス13キロの433キロ。除外明けでこの馬体減。極端に細くは映らないものの不安。レースは出たなりに外5番手から。勝負処では前4頭からかなり置かれましたが、追って進出して最後は3着争いに加わる頑張り。地味なタイプですが、結構能力は秘めている。

5着 バブルガムダンサー
 この日はプラス4キロの524キロ。メンバー最高の体重。さすがに馬っぷり上々で適度な気合乗り。レースは出遅れて後方から。正味直線勝負で大外詰めて5着。距離延長で期待されながらワンパターンの競馬で入着ライン。やや人気先行。

第52回 ハイセイコー記念(S2)

【予想】
◎プレストルーチェ
〇ストーミーデイ
▲ファンシーアップ
△ゴールドビルダー
△ブリッグオドーン
△マンガン
△モンゲートラオ

 強力な転入馬に競り勝った前走と素材の良さに着目してプレストルーチェに期待。折り合えば千六でもストーミーデイ、底見せぬファンシーアップが相手。

【レース】
 楢崎フォルワールドが先手主張。スタート決めたストーミーデイは相手に行かせて外に回して2番手。ブリッグオドーン、ゴールドビルダーと続いて直後にチョウライリン。プレストルーチェは外枠もあり中団から。出遅れたファンシーアップは後方。スローの先行ペース。3、4コーナーで先頭に立ったストーミーデイにゴールドビルダーが迫り、出遅れたファンシーアップも取り付いて直線へ。残り150で先頭を奪ったゴールドビルダーが、グンと伸び切り1着ゴール。ストーミーデイが2着に粘り、接戦の3着争いに競り勝ったのはチョウライリン。

【上位馬の寸評】
1着 ゴールドビルダー
 この日はマイナス1キロの477キロ。馬体をキープしてここ一連のデキ。レースは出たなりに内4番手から。道中の折り合いスムーズ。勝負処から機敏に反応して4コーナーでは2番手。残り150で先頭に立つと、危なげなく1着ゴール。ゴールドジュニアーの雪辱を果たしました。絶好の一番枠を生かしてレース巧者ぶりを発揮。時計の1分42秒7も及第点。現時点の完成度で一歩リード。

2着 ストーミーデイ
 この日はマイナス13キロの472キロ。見た目にフックラと映して細目感なし。落ち着きがあるのも好感。レースは二の脚が速く行かせればハナに行けそうでしたが、主張するフォルワールドに行かせて外2番手から。3、4コーナーで自然に先頭に立ち直線へ。勝ちパターンと思われましたが、ゴールドビルダーに交わされ2着。ヨーイドンの瞬発力勝負に決め手負けの形。血統背景から千四以下がベターか。

3着 チョウライリン
 この日はプラス3キロの518キロ。見た目にもうひと絞りの印象も。レースは的場騎手が気合をつけて内5番手から。道中はやや追わせる面も。4コーナーでは3番手グループの一角。鋭い脚が使えず前2頭には及びませんでしたが、3着争いに競り勝ちました。重賞皆勤賞で5、3、3着。大分差す競馬が板に付いてきたし、距離もこなしそうな感じ。

4着 ブリッグオドーン
 この日はプラス5キロの480キロ。馬体をフックラ映して適度な気合乗り。毛ヅヤも良く上々の仕上がり。レースは御神本騎手が軽く気合をつけて前2頭からやや離れた3番手。休み明けでもあり慎重な運び。ポジションをキープして直線に向き、叩き合いの末に4着。ややメリハリ感に欠けるレースぶりでしたが、キャリア2戦の休み明けイキナリ重賞を考えれば致し方ない面も。次走で改めて注目。

5着 ファンシーアップ
 この日はプラス1キロの476キロ。もう少しボリューム感が出ても良さそうですが、太目感なく仕上がり前走のデキ。レースはゲートがうるさくかなりの出遅れ。スローペースもあり向流しで一気に動いて前に取り付き3コーナーでは4番手に。3着争いには加わったものの、さすがに脚を使ったのが響いて5着。まだ完成途上ですが、厩舎縁の良血で素質相当。これを糧に更なる成長を期待。

9着 プレストルーチェ
 この日は増減なしの523キロ。相変わらず馬っぷりが冴えており毛ヅヤもいい。レースは出たなりに中団7番手を進みましたが、全くポジションを上げられぬまま終了。初コースや外枠などが響いたのかもしれませんが、正直拍子抜け。

第19回 JBCクラシック(Jpn1)

【予想】
◎チュウワウィザード
〇オメガパフューム
▲アンデスクイーン
△ロードゴラッソ
△ストライクイーグル
△クインズサターン
△ワークアンドラブ

 再びライバル対決。帝王賞では後れを取ったチュウワウィザードですが、馬体減でどうかという状態で接戦。小回り左回りの適性という点からもオメガパフュームより一歩リードとみました。ほぼ一騎打ち。

【レース】
 外からワークアンドラブがハナに行きシュテルングランツは2番手に控える形。離れた3番手にストライクイーグルで、その直後にチュウワウィザード。オメガパフュームは我が道を行く格好で後方から。3、4コーナーでチュウワウィザードが先頭を窺い、これに付いて来たのがセンチュリオン。オメガパフュームも接近して直線へ。またしても2頭のデッドヒートになりましたが、チュウワウィザードがハナ差競りり勝ちました。

【上位馬の寸評】
1着 チュウワウィザード
 この日はプラス11キロの481キロ。幸い回復して本来のフックラした体つきに。レースは出たなりに外4番手から。3コーナーでシュテルングランツを交わして2番手。コーナー中間では先頭を窺う勢い。最後の直線は迫り来るオメガパフュームとのデッドヒート。ハナ差競り勝ち旺盛な勝負根性を発揮しました。超一流の域にはどうかですが、とにかく崩れない。

2着 オメガパフューム
 この日はプラス10キロの458キロ。数字通りこの馬にしてはフックラ見せて、落ち着きもありこれまでで一番いい感じ。レースは例によってそっと出て序盤は折り合いに専念。向流しに入るとポジションを上げ、6番手から3コーナーでは4番手、4コーナーでは2番手に接近。最後の直線はチュウワウィザードとがっぷり四つ。激しいデッドヒートの末、惜しくもハナ差競り負けました。小回り浦和では、器用に立ち回れる相手に分が良かったということか。

3着 センチュリオン
 この日はマイナス1キロの542キロ。ほぼこの馬の理想体重で順調に推移。レースは出たなりに外5番手から。向正面の中間あたりから積極的に動いて、前にいたチュウワウィザードを急かす形。4コーナーでは外目2番手。最後は2強に離されましたが、勝ちに行く競馬で3着確保は大健闘。この競馬ができれば、今後は交流戦でもマーク必須。

4着 クインズサターン
 この日はマイナス9キロの475キロ。太目を叩いて活気もあり良化顕著。レースは矢野騎手が多少気合をつけて外8番手から。勝負処から徐々にポジションを上げて4着は、ほぼ力通りの競馬か。基本的には展開に注文の付く追い込みタイプ。

5着 ストライクイーグル
 この日はプラス1キロの513キロ。前走で東京記念を勝利して意気揚がっているだけに、気合乗り十分の好馬体が目立ちます。レースは吉原騎手が気合をつけて離れた3番手から。勝負処からペースアップした際に置かれましたが、盛り返して掲示板はゲット。浦和コースへの適性?

7着 ロードゴラッソ
 この日はマイナス7キロの465キロ。別段細目感はなく落ち着きもあり好調の範囲内。レースはやや躓いて出たのでポジションを取り切れず外6番手から。どうもリズムが悪く何もできずに終了した感じ。次走で改めて。

第19回 JBCスプリント(Jpn1)

【予想】
◎ミスターメロディ
〇コパノキッキング
▲サクセスエナジー
△ノブワイルド
△ブルドッグボス
△ファンタジスト

 芝路線に切り替えタイトル奪取のミスターメロディですが、デビュー当初の経緯からダート対応OK。前走のスプリンターズSは見せ場十分で良化確か。逃げ争いを窺いつつ内枠先行のアドバンテージを評価しました。

【レース】
 注目の逃げ争いは内枠から好スタートを決めたノブワイルドの逃げ。ただしファンタジスト、コパノキッキングが絡んだのでレディスを上回るハイラップ。直後にサクセスエナジー。中団から徐々に進出を図るミスターメロディにブルドッグボス。馬なりでマクって出たコパノキッキングが4コーナー先頭。ギリギリまで辛抱していましたが、これをゴール寸前首差交わしたのがブルドッグボス。展開に乗じたトロヴァオが3着。

【上位馬の寸評】
1着 ブルドッグボス
 この日はプラス4キロの520キロ。加齢とともに落ち着きが出たし、馬っぷりの良さに衰えなし。レースは御神本騎手が気合をつけて向正7番手。勝負処では先行勢を睨んで離れた5番手を追走。直線に向いた段階ではまだ先頭とは差がありましたが、終い1ハロン13秒7もかかる展開に乗じてゴール寸前で差し切りました。展開の恩恵があったとはいえ、この高速決着に対応しての勝利は素晴らしい。

2着 コパノキッキング
 この日はマイナス3キロの485キロ。例によってややうるさい面が。馬体はキープできておりマズマズ順調。レースはスタート後、しばらくしてやや躓くシーン。それもあり無理せず外3番手から。勝負処から馬なりで動いて4コーナー先頭。手応え的にはほぼ勝ったかと思わせましたが、ゴール前ブルドッグボスに差し込まれて無念の2着。内容的には完全に勝っていた競馬で、依然として進化中です。

3着 トロヴァオ
 この日はプラス1キロの469キロ。最近は大分馬が落ち着いてきたし、馬体もキープして好調。レースはこのペースだけに外9番手と後方から。ブルドッグボスに付いて行くようにポジションを上げ4コーナーでは6番手。更に押し上げ3着は、展開に乗じた面もあるにせよ大健闘。千六ベストとみていましたが、このレベルの千四にある程度対処できたのは収穫。

4着 ノボバカラ
 この日はプラス2キロの507キロ。レースを使い込んでいる7歳馬ですが、活気があって好気配。レースは枠入りに手こずり、スタートひと息で後方11番手から。正味直線勝負に構えての4着はほぼ力通りか。能力は維持しています。

5着 ノブワイルド
 この日はプラス3キロの501キロ。この馬にしては気合を表に出して相変わらず具合は良さそう。レースは好スタートから馬なりでハナを目論んでいたところ、そう甘くはなく外からファンタジスタとコパノキッキングに殺到されて仕掛けて行く形に。更には勝負処からコパノキッキングに来られて息の入らない逃げ。それで掲示板確保なら悪くない内容。7歳の今が旬です。

6着 ミスターメロディ
 この日はマイナス3キロの499キロ。いかにも若々しい好馬体に適度な気合乗り。レースは出たなりに進め、向正では外に出して5番手へ。勝負処では3番手に上がり流れ的には悪くありませんでしたが、直線の伸びがサッパリ。やはり基本的には芝馬ということか…。